さんぱい
名古屋といえばー?
そう!”名古屋刀剣ワールド”があるように刀剣です!
名古屋城もあるように、刀が集まっていましたからね。
日本刀のうつくしさは、なんと素晴らしいことでしょう。博物館や美術館で見ることができます。このエッセイを読みながら移動し(←ここ重要)、その魅力に触れてもらいたいです。
ということで私は、旅行前から仁さんに熱田神宮へ行きたいとお願いしていました。
草薙剣を御神体としていますからね。これはチェックしなければいけません。
天叢雲剣が正式名称のようですが、熱田神宮では草薙剣と呼称していましたので、以下そのように書きます。
草薙剣は、八尺瓊勾玉、八咫鏡と合わせて三種の神器のひとつに数えられています。そもそもは天照大御神が子孫の”瓊瓊杵尊に……いえ、ここの読者は十中八九知ってそうなので割愛します。
ちなみに私は、天照大御神=卑弥呼説を信じています。これは、卑弥呼が死んだ時皆既日食が起こったことが(実際は日がズレているという指摘が大きいようですが)、天照大御神の天岩戸に引きニートしたエピソードに変換されているというものです。陰謀論者は更に発展させています。伊勢神宮のマークがユダヤ教のものと同一であることから、卑弥呼=ユダヤ人と考えているそうです。つまりは、天皇の系譜はユダヤ人であると。信じるか信じないかはあなた次第。
閑話休題。
コンパルを出た私たちは、熱田神宮へ行くためJR熱田駅に来ていました。栄駅から名城線に乗り、金山駅で東海道本線に乗り換えて合計20分ちょっとです。
ずっと地下街を歩いてきたので、外に出たらもう暑くて暑くて。駅に到着したのは15:00過ぎでしたが、7月の名古屋は”燃えるよう”と表現するのに十分でした。
仁さんは最寄り駅こそ調べていても、その先の道のりはテキトーです。
何故かよっしーが案内してくれました。いやほんと何故そうなった。
彼は「Google嘘ついてるわ、遠回りじゃ」などと指をさしながら先導してくれました。私独りであれば、燃える熱田をGoogleマップに従順に歩いていたでしょう。とても助かりました。
にも関わらず仁さんは、その様子を面白がってスマホで撮影していました。スマホの表示がよっしー自身に追従されず、多少挙動不審になっていたのです。土地勘が無い場所をGoogleマップに嘘をつかれながら歩く、という難儀な事をしてくれているのに仁さんはなんて酷い人なんでしょう。仕方なく私は、よっしーの写真を撮る仁さんを動画にしました。
そんなこんなで道中セブンイレブンで買ったアイスを食べながら歩いていると、大きな鳥居が見えてきました。
木の肌が丸出しで、進撃の巨人の大きめの巨人に近い大きさ、という迫力のある造りです。
鳥居手前に来ました。私は礼節を重んじる厳格な人間です。しっかり端にたち、一礼してから鳥居をくぐりました。
熱田神宮は、”神宮”を名乗るだけあって広い敷地面積を持っていました。
たくさんの脇道とそれに伴った案内板がありましたが、一度それは無視して本宮へ向かいます。
途中に、草薙剣についてや歴史の変遷などが書かれた看板があり、それらについてはじっくり見ました。私たち3人は皆そういったものを重んじる質です。見てくれは違えど、後述も含め考え方は、いいバランスの3人で旅行できたと思います。
本宮が見えるところまで歩いてきました。
かなり手前に柵のようなものがあり、そこに賽銭箱があります。柵から本宮までは電柱2本分くらいはあった気がします。それでも尚効力があるのでしょう、凄いものです。
私たちは、その前に立ちお祈りしました。
私はいつも住所と名前、健康でいられますように、と祈ります。この時は、無事良い旅になりますように、という祈りも追加しました。
お賽銭を投げた後は、やはりおみくじでしょう。六角形の筒を振り、番号を伝えるタイプのおみくじでした。
末吉だったと記憶しています。流石に微妙な運勢では内容まで覚えていません。捏造しても良かったのですが、意味の無い行為なのでやめておきます。
私以外の2人は、どちらかと言えば六角形の筒を振る行為を楽しんでいました。子供です。
私たちは、おみくじを引き終え宝物館へ向かいました。もう1つ草薙館というものがありましたが、近い宝物館へ行きました。
私は美術館や博物館へ行くのが大好きです。茨城在住でも、行きたい企画展や特別展があればフットワーク軽めで動きます。たった2時間のために、往復6時間かけるなどザラです。
それは神社仏閣も同等です。熱田神宮も例に漏れません。
私はウキウキで建物に入りました。入館料を確認していると、仁さんが言いました。
「あー、うちの彼女連れてきてたらなー」
私も同調しました。
「確かになー」
「あめっていけないの?」
「いけんじゃない?ただ踏ん切りつかなくて」
よっしーは「?」といった表情でしたが、それが普通です。
さて、宝物館へ入りました。
織田信長関連のモノや書状が展示されていました。
地方の展示では、貴重な品が比較的たくさん置かれています。ここも例に漏れないようでとても高揚しました。
次は刀剣の飾られている草薙館です。
楽しみだなあと思って玄関へ向かっていると、先頭のよっしーが「まじか」と言いました。
嫌な予感がし、よく見ると、”本日は閉館しました”という看板が立っているではありませんか。
「ごめん、閉館時間調べてればよかったわ」
「宝物館より先にこっちきた方がよかったか?」
2人は申し訳なさそうですが、私は特別刀剣が好きというよりは、博物館に展示されているような歴史的なものは等しく好きですので宝物館だけでも十分です。
「大丈夫大丈夫!宝物館の方が貴重な展示だったかもしれないし」
空元気のように見えたのでしょうか、2人は申し訳なさそうな様子でした。私は別のところに移動しようと促しました。
私たちは、熱田神宮内にある公園に来ました。大きな池があり、周りにベンチがたくさんあります。木陰のそれは埋まっていたので、仕方なく日差しの照りつける日向のベンチに座りました。
「暑くね?」
「それよりさー、仁さんは彼女さんとどうなの?その気はあるの?」
「おい聞けや。よっしーも言ってやってよ」
「いや、俺は別にこのベンチでもいいけん」
「じゃー恋バナね」
「そーですか」
仁さんが少し大きく呼吸をし、カッコつけました。
「まあ、いずれはな」
「偉いよなあ、凄いなあ」
「いや、俺は愛してるからさ」
再び、仁さんはニヤッとカッコつけました。
「言われてみたいなあ、ねえよっしー」
「いや、言う側じゃ」
「それはそう。でも仁さん、私も当事者みたいなものだけど、やっぱそういう相手がいるのは幸せなことだよ」
「ま、別に俺は全部含めてだから」
私の心のきゃぱは溢れそうでした。
ですが──。
「実際現状どんな感じなの?」
私は切り出しました。
「夜の話?」
「ちゃうわ!ちゃんとうまくいってるの?」
──ここで仁さんは少し愚痴をこぼしたのです。
「ウチの彼女さ、飯作らないんだよね。
最悪俺がいるときは作ってあげてもいいけどさ、いないときは自分の分くらい自分で作ってほしいんだよな」
私はこの言葉に少し引っ掛かりを覚えたのでした。
「もう暑い!
移動して呑も!」
仁さんがそう言ったとき、よっしーはスマホを見てこう告げました。
「熱田神宮西駅も最寄りじゃ。ここなら栄駅から名城線で乗り換えずに来られたわ」




