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親父

掲載日:2025/11/09

本作は、ショート・ショート・ガーデンのクラフトビールコンテスト第3弾(概要は下記の通り)に投稿した作品です。

           記

文字数:上限400字

テーマ:「グビグビ」「ゴクゴク」「チビチビ」など、ビールにまつわる擬音語です。

解釈は自由、オリジナルの擬音語でも構いません。

俺は親父が嫌いだった。

小さな鉄工所を切り盛りして借金まみれだった親父が嫌いだった。

旋盤から飛び散る金属の粉が爪の間に入り、常に真っ黒だった親父が嫌いだった。

その金物臭い手で、俺を子供扱いして、頭を撫でる親父が嫌いだった。

仕事終わりに背中を丸めてビールをチビチビ飲んでいる親父が嫌いだった。

頭がよかった俺は、この状況から抜け出してやる、いつもそう思っていた。

俺は有名大学に受かったが金なんてねぇから、特待生で授業料を免除してもらった。

バイトでも何でもして食いつないでやる。

そんな出発の朝。

黙って家を出ようとしたが、工場の入り口に親父が立っていた。

「これ、少ねぇけど、チビチビ貯めたんだ。使ってくれ。」

親父がよこした通帳には、俺が4年間バイトなしで暮らせるだけの額が入っていた。

「そんな、ずるいじゃねぇか親父。」

立ち尽くす俺に親父は

「泣くなよ、チビ。頑張れよ。」

そう言って、俺の頭を何度も撫でた。

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