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第4話:上級モンスター襲来、チート剣戟炸裂!

 響夜きょうやがギルド本部を後にし、少し経った後__。


 ギルド内には緊急を告げる鐘が鳴り響いた。


「大変だ! 上級モンスター『ギガント・サラマンダー』がこの街に向かっているぞ!」


 先ほどまで賑わっていた空気が一変。

 ギルド内は瞬く間に緊張と不安でざわつく。

 その場にいた冒険者たちが、慌ただしく武器を手に取り始める。

 他のベテラン冒険者たちが先陣を切って防衛に向かう中、Cランク冒険者であるティアは、冷静に街の人々の避難誘導に回る。


「皆さん、落ち着いてください! 東門の方へ避難をお願いします!」


 避難を促しながら、ティアはふと、先ほど出会ったばかりの響夜のことを思い出す。


(!……キョウヤさん。まさか…こんな状況を知らずに街中を歩いているのでは……?)


 ティアは厭な胸騒ぎを感じて、避難誘導の指揮を他の者に任せ、慌ててギルド本部へ向かう。

 まだこの世界の常識も知らない彼が、魔物と遭遇してはいないか。

 最悪の事態がティアの脳裏をよぎる。


(……ッ!キョウヤさん!どうか…無事でいて!!)


 息を切らしながらギルド本部に戻ってくるティア。

 ギルド内はまだ騒然としているが、慌ただしくしているコハクの元へ駆け寄り、響夜きょうやの居場所を尋ねる。


「コハク!キョウヤさんは?! キョウヤさんは何処に?! 」

「あ…ティアさん!どうしよう!ま…街を散策するって言って…少し前に出ていって…どうしよう……また……」


 ティアは、涙ぐむコハクを見て、はっ!とした。

 慌ててコハクを落ち着かせる。


「ごめんなさい、コハク。私も心配して…つい。それで…何処行ったか判る?」

「…判ら…ないけど……」


 コハクは耳をピクピク動かす。

 獣人族特有の聴覚で、周囲の様子をざっくり探る。


「……西門方面がざわついてる。キョウヤさんがいるかは判らないけど…」

「一緒に探しに行こう!コハク!」

「うん!」


 二人は、ギルド本部を飛び出す。

 西門方面寄りに向かい、必死に響夜を探し始めた。

 街の奥深くから響く破壊音に、ティアとコハクは、更に不安は募る。


そして、街の裏門に差し掛かったその時___。


 二人の目に飛び込んできたのは、信じられない光景だった。


 巨大な上級モンスター『ギガント・サラマンダー』が、無残にも倒れ伏している。

 その傍らには、まるで何事もなかったかのように、涼しい顔で横たわるモンスターを見下ろす響夜の姿が___。


 響夜は倒れたモンスターの巨体と、裏門の向こうから聞こえてくる街の喧騒けんそうに、小首を傾げた。


「騒がしいなぁ…。なんか大きなイベントでもやってるのかな?……あれ?二人とも…どうしました?」


 きょとん…としながら、響夜は二人を見る。

 その彼の様子を、ティアとコハクは驚愕きょうがく戸惑とまどい、そして微かな憧れの眼差しで見つめるのだった。


「はっ!まさか…時間?! ヤバい…講義の時間過ぎちゃった?!」


 響夜の全くの見当違いの慌てぶりを見て、二人は、放心状態に。

 しかし、ティアは響夜の手許……彼が剣を収めたばかりのその手には……微かに残る光の残滓。

 それを見て驚愕きょうがくした。



 魔剣士特有のスキル


聖魔法剣アークライト』!!

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