第30話:守護の決意、帰りを待つ者たちの祈り。
時折、遠くから小さな地響きが『イーストブルグ』全体に伝わってくる。
非戦闘員たちは、互いを励まし合い、寄り添うように身を寄せ合って、この未曾有の事態が過ぎ去るのをじっと待っていた。
「キョウヤさんたち…大丈夫でしょうか…?」
コハクが、不安そうにリアーナに問いかける。その声は、微かに震えていた。
「うん。大丈夫よ、コハク。距離があるから、あまりみんなの気配は掴めないけど、今のところ大きな変化はないわ」
「でも……この揺れ方、尋常じゃないです。もしかして、みんな、すごく危ないんじゃないですか?」
コハクはギュッと拳を握りしめ、遠くの爆音に耳を傾けた。
「ええ。きっと激しい戦いになっているでしょうね。でも、みんな…きっと大丈夫よ」
リアーナは、コハクの頭を優しく撫でる。
その瞳には、遠くの戦場を案じる色と、確かな信頼が宿っていた。
「……待ってる間って、本当に、もどかしくて悔しいんですよね。受付のお仕事で、任務に出た冒険者さんたちの帰りを待つ時もそうでしたけど……何もできない自分の無力さが……胸に突き刺さるようで……」
コハクの言葉に、リアーナは静かに頷いた。
彼女の瞳にも、過去の不安と、そしてそれを受け止める今の強さが宿る。
「そうね…。私も、ティアが冒険者の仕事で無茶しないか、いつも心配していたわ」
リアーナの言葉に、コハクはハッとリアーナの方を見つめる。
そして、優しく微笑みながら、コハクを励ます。
「信じましょう…みんなを。私たちは、みんなが帰ってくるこの場所を、何としても守らないと!」
「はい…!」
リアーナの優しくも勇ましい言葉。
そして、その手から伝わる温かさを感じながら、コハクはみんなを信じる気持ちを高めるのだった。




