チェリーボーイ・ミーツ・デリエルフ
今回、ボッチ大学生、デリヘルを呼んだらエルフが来たので居候させてみた。生活費は単発バイトで!を執筆させていただきました。風 渡です。よろしくお願いします!
俺はしがない大学生コージ…オタクでボッチで童貞で引きこもり、いわゆるオワコン大学生だ。
自分でいうのもなんなのだがもう未来に希望も、夢も…何もない。
家族からは既に見放され、父親には一人暮らしのためのお金を払うから、頼むから!!…て感じで家を追い出された。
今は大学から近いアパートで独り暮らしをしている。
バイトもサークル活動もせず、大学でもろくに単位を取っていない。
ただ時間が過ぎていく…そんな生活を続けていた。
こんなんで将来大丈夫なんだろうか……いや、大丈夫でしょ!俺、最強だから!笑
テレビでも見よーっと!おっと、これは女児向けアニメのブリブリビチキュアじゃないか!
『あなたのような悪党は私が許さない!へーんしん!!』
ブリキュアはピッチピチの戦闘服で怪人と戦っている。うーん……ちょっとエロいな!!なんかムラモゾってしてきたぞ!不覚……!どうやら俺はこの怪人さんより性欲が強いらしい。
…よーし!準備完了!では始めさせていただきます!
ズボンを脱ぎ聖剣を抜く準備をしていると、隣の部屋から若い男女の声がする。
『いくよっ!!もう!』
『いいよっ!来て!』
シネ。
部屋の壁が薄いから、声の音量もダイレクトに届くんだよ。
オヤジめ、こんな辺境に息子を飛ばすとは、…○○ボールのブ○リーになった気分だ。
さてと気を取り直してっと!オラもカップルには負けていられないぞっ!
では今度こそっと…って、あれ?
俺の聖剣は力を失いペティナイフと化してしまった。
なんてことだ、このままじゃ純白のティッシュペーパーに俺のホワイティオイルをバーストできないじゃないか。
一度インターネットから活力を得ねば!
いつも通り、動画漁りと行きますか。
気になる動画をタップし、サイトに飛ぶ。後はスクロールして再生ボタンをっと。
おーい!サイトの下から浮き上がってきた広告をタップしてしまったではないか。
おーデリヘル広告かー。
パチンコ三昧の金欠大学生にはつらいぜ。っておい!!これは…
女の子をチョイスする欄に金髪に耳が異様に長く、青い瞳を持つ美人女性がいた。
『これは……エルフ!!っていやコスプレの可能性も。
いやこの見た目、間違いない!本物だ!!』
すぐさま指名しようとしたが、一つの問題が頭をよぎる。
そうだった!俺には金がない!しかしこの出会い!逃すわけがあるまい!
急いでオヤジに電話をかける。
『オヤジ!久々の会話で愛を伝えたいのは山々だが、一つ!頼みがある。 2万だけ、』
『ブー..ブー..ブー』
オヤジは話も聞かずに電話を切ってしまった。そんなことだから母さんに逃げられるんだ。
って、そんなこと言ってる場合じゃない!早く指名しないと!でも金が!
あっ!大学の友達!はパチンコで借りた金、返さなくて絶縁したんだった。
ははっ。俺ってクズだな。一人で何やってんだか。
それでも!
アパートを出て俺は走る。
『フー!これで一安心!』
コージは消費者金融で10マンエンを手に入れた!
やっぱ男は行動力だよな!結局頼れるのは自分自身ってことなんだな!アハハ!
部屋に戻ってきたということで、そろそろ本題に
あとはココをタップして、
なんか緊張してきた。いや!やるんだ!俺はやるんだ!
(でも、そもそもエルフがいるっておかしいでしょ!
もしかして詐欺?これ指名したらしわくちゃのおっぱいバカ長い婆ちゃんとか来たりしないよね?
なんか…すごく怖い!)
恐怖で震える手を抑えて心を落ち着ける。
『俺なら、やれる!ここで童貞を捨てる為に!俺はこの世に生まれたんじゃないのか!』
心は落ち着いた、ありがとう母さん。震えは止まらない。これが武者震い…
よし!いくぞ!ていっ!
スマホにはこの文章が写し出された。
『ご指名ありがとうございます!到着予定時刻は30分後でございます!料金は5万円とナリマス!』
たっけー。もう後戻りはできない。
いや、そんなことをする必要はないか。
初めからその気はないのだから。
俺はチェリーに別れを告げ、新しい自分を迎え入れる準備をしていた。
残るは卒業式のみ。そろそろだな。ゴクリ、玄関のドアを眺める。
『ピンポーン!ピンポンピンポン!ピンピンピンピン..............』
オイオイ!相手はやる気満々のようだ!
『はーいっ!』
ドアに向かい足が進む、この足さばきはまるでバレリーナ!?
高揚している自分に驚く。恐る恐る、いや、違うな。ウキウキワクドキでドアを開けたッッ
『コ、コンニチワ!ヨロシク!オネガイシマス…』
写真で見るよりも何倍も可愛かった。まるで逆写真詐欺だ!○メダ珈琲店以上だ!。
あどけない童顔にたわわに実った果実!
恥ずかしさを隠すような真っ赤な彼女の表情に俺のフォ○スは覚醒した。
俺が最後のジェ○イだ。ってことで文字稼ぎはこの辺にしてそろそろ始めようか。
『ではそろそろ』
颯爽と服を脱ぐ。
過去一の速さだ。エルフの彼女は驚いた顔でこちらを見ている。
『エ?ナンデフクヲ?』
『なんでって…ゑ?』
悪い悪い。彼女のノリについていけなくて、慣れない文字を使ってしまった。
『もうお金払ってるんですから早くしましょーよ、ソツギョウシキ。』
エルフの手を握る。すると青ざめた顔で手を振りほどく。これはツンデレ?
SMはあまり趣味じゃないのだが…
それなりの金額を支払っているのでプレイはこちらの要望に従ってほしいのだが。
頑なだな。こうなったら、
『コージ・ブリュタニアが命じる。今すぐ服を脱げ!』
『サッキカラナニイッテルンデスカ!コワイデスー!』
エルフは逃げ出してしまった。
...。...。...。
『ゑ?』
コー○○アスは未履修だったか。
っておいー!!!
彼女の後を追った。
***
はあ、はあ。エルフは、最寄りの公園のベンチにいた。最寄りといっても2キロは離れている。
引きこもりにここまで走らせるとは…
エルフは申し訳なさそうな顔をしている。
『サッキハゴメンナサイ。...アナタガコワカッタカラ。』
彼女の発言に違和感を感じた。物凄く!…しかしここは俺のジェントルメンさを見せなければっ!
『先程はいきなり無礼な態度をっ。申し訳ありません!』
俺の華麗な謝罪を見て、エルフは目をパッチリ開けて驚いたような表情をしている。
やっと落ち着いてくれたか。彼女は心を許してくれたようでことの経緯を事細かに話してくれた。
(……ワタシハエルフ、ナマエハノーラ。ハア……読みにくいから、ここからは普通に話させてもらうわ。
気を取り直してっと…私の名前はノーラ。見ての通りエルフよ。
私はあの日、部屋の片付けをしていたの。
すると部屋の押し入れからほこりをかぶった大きな箱が出てきたの。
ほこりを拭いてその箱を開けると目の前が真っ白な霧に包まれて気付いたら『キャバクラ』のトイレの中にいたの。
訳が分からなくて外に出ようとしたら怖い顔のお兄さんたちが、『おいねえちゃん!金払わんつもりちゃうやろな!!』とか言ってきたの。
それで『お金なんてないです!』って言ったら無理やり『デリヘル?』で働かされそうになって今のこの状況…というわけなのです。)
ガッデム!!本来なら信じられないような話だが、彼女の容姿も相まってとても噓には聞こえない。
『そうなんですか大変ですね。何か手伝えることってありますか。』
他人事のように言ってしまったと思った。少し気まずくて彼女の顔を見ると、
『ふふふっ!!はははは!』
口を大きく開けて笑っていた。そんな顔で笑っていても彼女が美人であることは揺るがない。もし俺が同じ顔をしたら、即職質案件だろう。
『今まで話した人は誰も信じてくれなかったのに。あなたは信じてくれるのね。』
彼女は人差し指で笑い涙を拭き取りながらそう言った。
『じゃあ私をあなたの部屋に住ませてよ!私家ないから!』
え、今なんて、俺の部屋に住む?童貞歴=年齢、大学でもぼっち、引きこもりで金もないこの俺の部屋に??
美人で巨乳で純情そうなこのエルフが?
...…。…………。
『最高すぎんだろー!!!!』
俺の退屈な日々が終わるような気がした。
***
自室にて………
『自己紹介が遅れてすまない。俺はコージ。』
『私はノーラ。よろしくね。にしても汚い部屋ね』
彼女は心を開いてくれたようだ。心を開きすぎて、俺の聖域を貶したのには若干ムカッとした。大量の酒缶、菓子の袋、ゴミ箱からティッシュが溢れ出てるくらいじゃないか。
『余計なお世話だよ!』
『いいえ!これは汚すぎるでしょ!これからは一緒に生活するんだから、一緒に片付けましょう!』
彼女の何気ない一言に心を動かされてしまった。一緒に生活かー。まぁ一人だったら間違いなく片付けなんてしなかっただろうし。。ありがたい。
片付けも一通り終わり、綺麗な部屋の澄んだ空気を吸い込み少々の休息をかみしめていた。
『ありがとな、ノーラ!』
『別にいいわよ。ところであなた、金銭面はどうしているのかしら。』
突然の質問だったが、包み隠さずすべてを話した。親からの手切れ金で生活していること、もう残金はほとんどないこと、借金が10万円あること。言ってて嫌になるな…
『あなたってもしかしてかなりだらしない人なんじゃない?』
ご名答!!彼女の言葉に涙を禁じ得ない。自分でもとてもだらしない自覚はある。俺の清々しい顔を見て彼女はため息をついた。
『はあ、っていうか借金はもう返せるじゃない!!』
『いやあ今月ゲーム買いすぎてクレジットカードの請求が…』
『終わっとんな!笑えてくるわ!!』
さっきから発言に棘があるんだけど!
『まあそうだよな。俺は今まで何もしてこなかったんだ。今更変わるなんて…』
『変われる!』
は、なんて俺なら変われるって言ったように聞こえたんだけど…
『あなたは私の境遇を聞いても笑ったりしないどころかすぐに助けようとしてくれた!そんなあなたが変わりたいって本気で思えば必ず変われる!!…ねえ、あなたの夢を教えて?』
俺に夢なんて…いや、俺には昔からやりたかった夢があった。
『俺、喫茶店開きたいです!協力してください!』
『このノーラ様に任せて!頑張りましょうコージ!』
胸が熱くなった。
『ノーラさん!すきです!!』
『調子に乗らないで。』
ありゃま。
***
彼女はおれのスマホを使って慣れないネットサーフィンをしている。
『ふーん。喫茶店の開業には300万円ぐらい必要なのね。バイトしたらどのぐらいで貯まるかしら?』
耳を疑った。この大金をバイトで?無理無理、できるわけがない(笑)。
……いや、でもやってみようかな。
『バイトはこのアプリで探そう!』
俺がおすすめしたのはこれ!バイトアプリのマウンワーク!求人数が多く職種も多いため選択の幅が広がりやすくストレスフリーでバイトができるんだ!。
『このアプリ、すごいじゃない!求人の数も多くて職種も幅広くあるわね!』
ノーラさん、それ僕もう言いました……
『単発バイト?』
彼女は初耳ワードに耳を傾げる。もっと今まで初耳のワードあっただろ!まあいいか。
『一日で終わるバイトのことだよ。』
『わーお!いいじゃない!このタイプだったら継続力のない君にもできるかもね!』
彼女は一通り求人を見てある求人に指をさした。
それは『警備バイト』……
いや、俺はいいんだけどね!ノーラが心配で。
『警備バイトって危ないことがあるかもしれないよ。ノーラにそんな危険な仕事はさせられないよ。』
『心配してくれてありがと!でも大丈夫だよ。それにもう応募しちゃったし。』
出たよ行動力お化け!
5分後には採用通知が来た。……ついにこの俺が働く時がきたか。
警備バイト当日……
現在土曜日午後3時、普段なら寝てる時間だ。俺たちはゲームイベントに来ていた。
『君たちには本日このイベント内で行われる大会の警備をしてもらう!』
『はいっ!』
俺とノーラは警備の服を着て立っている。もう暇だ。
白熱するゲーム大会が気になるが、会場入り口は人の出入りが多く見ている暇はない。
『ノーラ。これあとどんぐらい?もう疲れたんだけど』
『まだ10分しかたってないわよ!そうね、イベントが終わるまでだからあと2時間ほどよ』
精○と時の部屋なのかここは…時間がなかなか進まない!
ダラダラ仕事をしていると会場でどうやら妙な動きが
『俺が負けるわけがない!!お前チート使っただろ!』
ゲームの勝敗で揉めているらしい。確かにこの大会の賞金は100万円!問題が起こるのも無理はない。
『この大会に勝てなかったら、借金地獄なんだよ!!こうなったら……』
彼は服の内側からナイフを取り出す。これはまずい!!早く止めに行かないと!
ふと隣を見るとノーラの姿はなかった。
『ファイアボール!!』
叫んでいた男は吹き飛んでいたすぐさま周りにいた警察が男を確保して一件落着?みたいだ。
『ノーラ。さっきのは?』
『魔法はまだ使えるみたいね!』
なんてことだ。彼女は異世界で使っていた能力を引き継いでいたみたいだ。
『お嬢ちゃん助かったよ!!これは今回の二人への報酬だ!』
10000円獲得!!よっしゃー!思った以上に嬉しかった。
自分で働いて稼ぐっていいもんだな!
『お疲れ様!ノーラ!』
『お疲れコージ!これからも頑張りましょう!!』
喫茶店開店までの残り金額、約299万円!
気が遠のく。でもノーラがいれば!!