第1話 なんかおかしい
突然だが、俺には義理の妹がいる。
俺よりも3歳下で、同じ学校の中等部に通う中学3年生。学年のアイドルというほどではないが同学年内でも評判がよく、告白をされたこともあるという。友達も多く活発で、人助けも進んでするいい子だ。
ここまで聞けば、普通にいい子で終わる話だろう。義妹自慢したいだけだって? 違う違う、
俺が言いたいのは、“義妹の様子が最近ものすごくおかしい”ことについてだ。
いい子義妹だが、ある時洗面所を使っていた彼女が一瞬にして消えた。そして、ふと周りを見渡せばリビングで朝食を食べているということがあった。それ以外にも、一切足音を立てずに俺の真後ろに立って悪戯をしたり、そのお返しで義妹に何かをしようと背後から近づいてみるが、それが突如木の棒に変わっていたり。とにかく、普通の女子中学生にはできないようなことを当たり前かのように起こしているのだ。
一度問い詰めてみたことがあったが、「それは、おにいが疲れてるだけなんじゃないですか?」と受け流されてしまった。流石にそれでは納得できなかったから、尾行とかの家族じゃなければ犯罪になりかねないことをしたものの、気づかれているかのように俺が見ていた時だけなんもなかった。
確かに俺はそこそこ多忙という自覚はあるものの、それでも十分家族の顔や姿を見分ける余力くらい残っている。だから間違えるはずもない。
全国に俺と同じで変な生態や能力を持つ義妹を持つ人は連絡してきてほしい。
半年にわたって起きた摩訶不思議な現象を日記に残すこと半年。
その答えは唐突に明かされた……。