3つの詩 : 炎は紅色
ひさびさに詩を書いた! めちゃたのしかったです〜〜!
【鉱夫たちの遺言】
洞窟の内壁
土に掻かれた傷跡が
うらみつらみを訴える
親に売られたか
はたまた妻子に見限られたか
鉱山の労役に出された
男たちの シャベルの遺言
土砂崩れに巻き込まれ
日々 累加する死者の数
変格的に振り込まれるのは
死亡手当
付け出しの給与
土に掘られてのたうつ文字は
いつしか退紅色に変わっていた
fin
◇
【太陽を焦がすほどの恋】
プロミネンスが
うなぎのぼりに伸び上がる中で
僕はあなたに愛を告げた
賽銭箱の中の小銭も
すべて溶かしてしまう灼熱に
僕のハートは灼け焦げて
思いを仕舞っておけなくなった
宇宙の起源が混沌であるなら
この熱の濫觴はどこにあるのだろう
きっと太陽の黒点よりも
はるかに熱い、熱いところからさ
fin
◇
【流竄の民たちは】
生まれた頃から居場所のない
流竄の民たち
夕去り時に
有志で集まり 羽根の付け根に
軟膏を塗り合う
なし酒を痛飲して
酩酊飛行で空をさまよい
自分たちのエティモロジーが
どこから来たのかも わからないままに
穢土の地に不時着する
まるで紅い舌のような炎が
あちらこちらからはみ出している
乾ききった地面の上に
fin
第35回文学フリマ出店予定!
詩集をつくるです。おたのしみにーーー!