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3つの詩 : 鋼の植物群

自作の小説「月夜に開く鋼鉄の花」(https://ncode.syosetu.com/n5788hr/)からイメージが膨らみ

書いた詩、3つです。


短いのでサクッと読めます。スキマ時間にどうぞ〜

【鋼鉄の水中花】



「花が開くのを見守るだけの カンタンなお仕事!」


夏峰なつみねの奥の溶鉱炉

真っ赤ななまりと 軽トラック8杯分の花びら


溶かされ混ざり 固められ

しずくのかたちの巨大なつぼみ


二人の肉体労働者が 月の光を浴びながら

夜通し 開花を見守っていた


花びらと花びらが 擦れ合う

不快な金属音 背筋をぞわぞわさせながら


生きる日銭を稼ぐために

見守っていた 働いていた


fin




【鋭い芝生】



真っ白なシーツの上に

真っ白なワンピースの女の子たちが

寝そべっている


女の子は全部で5人


まるで

芝生の上にあつらえられた

純白のベッド

僕は5人の女の子たちと

かわるがわる交わった


草は鋭く尖り 時に布を突き破り

僕たちの肌を 切り裂いたけれど


僕らは構わず 腰を擦り付け合う


てん・てん・てん

白い四角に

紅い染み 鮮やかな血液


「処女の血? 怪我の血?」


僕が尋ねると 5人ともが云った


「処女の血よ」


fin





心臓ハートのジャム】



ユスラウメの小枝を手折たお

あなたの心臓に突き刺した


「これであなたは私のもの」って

舞い上がったのも 束の間

夜には 「こんなのホントの両想いじゃない」

って痛いほど 突き刺さる


抜き取った心臓は たしかに脈打っているけれど

胸いっぱいに詰まっているのは

私じゃない あの子のことばかり


ジャムにしようと 煮込んでみるけど

溢れ出るのは あの子のことばかり


甘酸っぱい初恋の香りと味に

あまりに腹が立って

怒りに任せてトーストを投げた


白い壁が ジャム色に染まった


fin

お読み下さりありがとうございます。


まだまだ続きます〜次回をお楽しみに!

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