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5つの詩 : 処女とユニコーン
ユニコーンと処女が登場する詩を5つ作りました!
どうぞお読み下さい。
【みぎあし】
一角獣が 懸命に守っている
純白のドレスのあの子は
右脚が不自由だった
ガーターベルトで絹のストッキングを吊るし
その義足を滑らかな皮膜で覆っても
ひやりと冷たいままだった
このことで あの子が責められることは何もない
何もしなくていい そのままでいていい
fin
◇
【まどろみ】
睡蓮が咲き乱れる
森の奥の池のそばで
ユニコーンとお姫様が
惰眠を貪っている
まどろみながら 濡れた花に触れて
その清浄なつゆを集め
喉を潤す
不断草の葉を かご一杯に摘んで
もとのお城へ 帰って行った
fin
◇
【処女の涙】
夜に嘶く白い馬を
巨大な処女の 涙で洗おう
健よかに伸びた
水色の天に向いた角も
塩辛い水を浴びて 浄められていく
fin
◇
【処女ほど舞い上がる】
ドーパミンが噴き出すのは
きっと恋のせい
ロイド眼鏡をわざわざ掛けて
ボックスステップで踊る
限りない欲望の残滓が
心の奥底に残って
ドーパミンが引いても
処女は舞い続けていた
fin
お読み下さり、ありがとうございます〜
まだまだ続きます。