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2つの詩:あなたは天国にいる
今回は「天国にいるあなた」をモチーフに、詩を2つ書きました。
お楽しみください!
【高みの見物】
悔い改める気など 微塵も持たないあなたは
雲のうえで遊ぶ
リリカルな感傷に 沈む私を
物珍しそうに 笑いながら
ガーネットみたいに紅い三日月に
だらしくなく寝そべり
「原罪なんて 本来的にはありはしないよ」
と 軽口を叩く
fin
◇
【うわさに振り回されないように】
送り火を焚いて
あなたの魂を見送った
私は自分の髪の毛に
隠君子を挿して あとを追った
梶の木には昨日までに死んだ
友人たちが大勢 絡まっている
おしゃべりな彼女たちの 口さがないうわさ
「前非を悔いよ、前非を悔いよ」
好きに云わせておけばいい
fin
※隠君子=菊の花