4つの詩:駅とパンダ、アメリカと寿司
最近、現代川柳を詠んでます!(Twitterで)
それから
派生した詩を四つつくりました。
お楽しみください!
【駅の説明書】
路線図に存在しない駅に辿り着いたとき、
どのように振る舞えばいいか、お悩みではないでしょうか?
まずは駅の屋根に注目してください。
そこには、銀色のハンドルがあるはずです。
片手で駅が持てますから、そのまま家まで持ち帰りましょう。
決して無理に体重を掛けたり、振り回したりしないでください。動作不良の原因になります。
fin
◇
【あの子誰の子?】
山に棲んでるはずなのに
身体の半分 海の上
笹が好きなはずなのに
「鮭が好きよ」と 水の中
山を知ってる
川を知ってる
海も知ってる
もちろん雪も
あの日 あの時
氷の上で うとうと ぐうぐう
けれど今は 檻の中
誰の子どもか 不思議な子
fin
◇
【アメリカンドリーム】
アメリカンドリームを夢見て
海を渡る
ビバリーヒルズで
恋に明け暮れ
都会の色に染まりぬ
東洋好みのGIジョーたち
抱いて抱かれて 白旗をあげたのはどちら?
fin
◇
【寿司のうえにも三年】
寿司のうえで繰り広げられる
熾烈を極めるバトル
赤身は引き裂かれ
シャリは吹き飛び
わさびは踏み荒らされた
とどめは
すべてを焼き払う
炙りのバーナー
寿司のうえは焼け野原になった
そんな寿司のうえに わたしは水をやり続けた
無惨に焦げたシャリのすきまに 祈りを込めるように
来る日も 来る日も
すると今日初めて シャリのすきまに 小さな芽が出た
fin




