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2つの詩 : 女の運命

【そこに女がいたならば】


そこに若い女がいるというだけで

何か物語が始まりそうな気がするね


いや増さる恋心か はたまた才女の賛嘆か

あるいは暗黒惨憺たる残酷劇グランギニョル


きみならどれに三嘆するだろう


いつも無風の凪を気取っている その心を

震わせてみたい おののかせてみたい 揺らしてみたい


情話に頬を赤らめるきみが見たい

その冷たい瞳に 好奇心の火が灯るのが見たいから


きみが好むように 若い女の運命をさだめよう


fin



【なにものなのか おのののか】



おのののかっていたよね

あるときパタッと 見なくなったのね


なにものなのか おのののか


実は彼女は 法皇の落胤らくいんだって話 

あ これは極秘ね


でも王朝の没落で その後ろ盾を失ってしまって

だから 消されてしまったんですって


そうよ 応仁の乱以降のことね 当然ね


もちろん高貴なひとだから 

口過ぎに困ってるなんてことまでは

聞かないけれど


ねえ 誰にも秘密よ

物陰から口拍子が聞こえるけれど 

この部屋には 私たち以外いないよね?


今はまるで朽ちていくのを待つだけみたいな毎日ね きっと


どこかで巻き返すことはできるのか できないのか おのののか


fin

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