4つの詩 : 夏の残像
夏も終わりましたね〜
夏を惜しみつつ、、、
秋の気配がする今を詩にしてみました!
【夏よ、さらば】
スプーンひと匙ほどの
真夏の太陽のカケラを
僕に返してよ
バーチャルリアリティで
構わないから
手を振りながら去っていった
あの季節が恋しい
きっともう
すでに手遅れなんだな
fin
◇
【80デニールの季節】
タイツの編み目が
じわりじわりと詰まって
エチュードを弾いてる間に
やってきた80デニールの季節
きつく締めつけられた
冷たいふくらはぎに
鉄製のヘアピンで開けた
小さな穴
毛糸のパンツはさすがに
まだ早い
とてもじゃないけど
今はまだ秋だから
fin
◇
【華麗にスルー】
「点と線の違いを教えて」
きみに近づきたくて
わざとバカな質問したんだ
ナラティブな体験が
ふたりの距離を近づける
そのことは知っているけれど
素通りされたら
なすすべもない
fin
◇
【消・え・た・い】
トイカメラのフィルムに閉じ込めた
原宿の喧騒
鉄の味しかしない皮膚を
二人で舐め合った
知らない部屋で
「消えてしまいたい」なんて
竹下通りでしゃがみ込んで
病んでる姿が
まるで映画のワンシーンみたいだった
たったこないだみたいに
思い浮かぶのに
今はもうすっかり秋で
僕たちはお互いを
さっぱりとアンインストールしてしまったんだ
fin




