ゲージ粒子って何ぞや?
簡潔に説明する為に、内容に不正確な部分が見受けられると思います。
「この表現はおかしい。こうするべきだ」等のご意見を、感想として残して頂けると、嬉しいです
姉さんは科学者だ。そんな姉さんに、ゲージ粒子について教えてもらったので、日記として残そうと思う。
~
~~
~~~
姉「君は『ゲージ粒子』って聞いたことがあるか?」
僕「What's that?」
姉「まあ、知らない人の方が多いよな……。では思考実験をして頂こう。今、ここに二本の棒磁石があるとする」
【S ア N】 【S イ N】
姉「私がアを固定していて、君はイを握っているとしよう。この時、イは右向きか左向き。どちらに動こうとする?」
僕「左向きだよな? N極とS極は引き寄せられるから」
【S ア N】 ←←【S イ N】
姉「正解だ。では、私が突然アの棒磁石を180°回転させたとする。今度はどうなる?」
【N ア S】 【S イ N】
僕「右向きに動こうとするかな? S極同士は反発し合うから」
【N ア S】 【S イ N】→→
姉「正解。では問題。私がアをひっくり返したのと、君の棒磁石に加わる力が逆を剥いたのは同時? それともタイムラグがある?」
【S ア N】 ←←【S イ N】
↓突然ひっくり返った
【N ア S】 ←←【S イ N】
↓イが動こうとする向きが入れ替わる。ここにタイムラグはあるか?
【N ア S】 【S イ N】→→
僕「もちろん無いよな?」
姉「本当に?」
僕「……たぶん?」
姉「君は『物の速度は光より早くなれない』と聞いたことがあるか?」
僕「もちろん。有名な話だよね?」
姉「実は『物の速度』だけでなく、『情報』も光よりも早く伝わらないことが分かっているんだ。つまり、電磁波を使った通信が最も早い通信方法という事になる」
僕「へえ! そうなんだ。確かにそう言われてみれば、納得かも」
姉「だけど、君は『私がアの磁石をひっくり返したのと同時にイに加わる力も逆向きになる』と言っただろ? それは矛盾しないか?」
僕「なるほど! 『姉さんがアをひっくり返した』という『情報』がイの磁石に伝わるのには時間がかかるという事?」
姉「そうだ。こんな感じだな」
【S ア N】 ←←【S イ N】
↓突然ひっくり返った
【N ア S】 ←←【S イ N】
↓
【N ア S】) ←←【S イ N】
↓
【N ア S】)) ←←【S イ N】
↓
【N ア S】)))←←【S イ N】
↓
【N ア S】))))←【S イ N】
↓ひっくり返ったという情報が伝わった
【N ア S】)))))【S イ N】→→
姉「さて。では、この図で『)』と示した情報は何に乗って伝わるのだろうか?」
僕「ややこしい話になってきたな。でも確かに気持ち悪い話だな。磁力という力が、まるで波紋のように動くってことか?」
姉「そう。波には必ず『媒介』が必要。真空中で音が伝わらないのと同じだ。だから、科学者は『磁力を媒介する物って何なのだろう?』と考え、その結果『フォトン』という素粒子がその媒介者であると考えられるようになった」
僕「ちょっと待って。素粒子って小さな小さな粒子だよな? 磁力という『力』の正体は粒子って事?」
姉「気持ち悪いと思うが、そうなんだ。この世に存在するすべての力は素粒子が媒介していると考えられている。例えば、重力を媒介する重力子は未発見なのだが、重力が波のように振舞うことは観測されている。このように、力を媒介する粒子の事を『ゲージ粒子』と呼ぶんだ」
僕「ほえー」