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今日から俺はマッケンテンナ(8)

 そこで白羽の矢が立ったのが、この俺らしい。

 俺に替え玉で学校に通わせて卒業させるという作戦ある。

 ものすごく強いケロべロスをやっつけた俺である。

 おそらく騎士養成学校に通えば優秀な成績を修めるとおもったんだろう。

 もし仮に、俺が主席で卒業でもすればマーカス=マッケンテンナという名前に箔がつくことは間違いなしだ。

 そして、都合がいいことに騎士養成学校は寄宿舎暮らしである。

 ということは、最初から入れ替わってしまえば、俺とマーカスが入れ替わっているなんて誰も気づきはしないのである。

 しかも、ドグスにとっては最愛の息子である本当のマーカスを自分の手元に置いたままにできるのだ。

 こんないいことづくめの条件はめったにないだろう。


 だが、俺は人里離れた森の中で生活をする貧しい子供である。

 確かに、目立たずにマーカスと入れ替わるという点では適しているかもしれない。

 そして、生活に困窮していそうな姿をみれば、きっと金を積めばドグスの言いなりになるとでも思ったのだろう。


 だが、待てよ。

 仮にそうだとして……

 俺が天才だという保証はどこにあるのだ。

 俺自身が天才少年だと言い張ったところで、一体、誰が信じるのだろう。

 自分が自分の事をほめるのである。

 俺! 天才なんだよね!

 その姿は、まるでアホの子だ……

 それよりももし、俺がマーカス同様アホだったら、この入れ替わり作戦は全く持って意味をなさないのである。

 そう、誰も俺の事なんて知らないはずなのだ。

 俺の才能の担保なんて何もない。

 まして、こんな小汚いガキ……一体、誰が信用するのだろう。


 だが俺の思い反してちまたでは、俺がケロべロスを打倒うちたおしたという天才少年だという噂が広がっていた。

 おいおい、そんな眉唾みたいな話、誰が信じてんだよ

 そう思うだろ。普通……


 街中まちなかで道具屋の店主が声高こえだかに叫んでいるんだとよ。

 店主(いわ)

 だって仕方ないじゃないか……店の前にこんにも人がずらりと並んでいるんだから。

 道具屋に展示されたケロべロスのほね見たさに、街の人々が列をなして並んでいる。

 理由は、なぜだか分からないけれども、それを見た道具屋の店主は有頂天。


 こんな完璧なケロべロスの骨は、ほかにはないぜ!

 この骨、なんと10万ゼニー!

 しかも、これ、()()()っていう少年が倒したっていう話だ!

 どんどん、みんな見ていっておくれ!

 拝観料は、なんとたったの50ゼニー!


 もうね、眉唾の噂が真実であると道具屋がバンバン証明してくれていたらしい。

 いらんことしやがって……

 というか、なんやねん、その噂!

 どこのどいつが流したねん!

 そいつが今回の騒動の発端か!


 そんな俺を見つめながら、母がにこりと微笑んだ。



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