3.いつまでも大人になれなくてすみません
『昨日さぁ、三ヵ月半ぶりにお酒飲んだよー』
『普段は家では飲まないんだけどね』
『でもどうしてもどうしても飲んだ状態で、クズな私を受け入れてくれる人たちと喋りたくなって、自分からはかけない電話をかけちゃったの』
メッセージをピコンピコンと送信していく。
例の後輩に。
『オンライン飲み会ってやつですか?』
すぐに返ってきた、できる後輩だなぁ。
『違うよ、ただの電話』
『ほぅ』
『やばい、飲み電話めっちゃ楽しかった、新しいライフスタイル見つけた』
『みんな何してました?』
『ぷーさんは昼の1時から夜の10時までアシスタントさんとスカイプでやり取りしながら漫画描いてんだって、鳥元はなんかボイスチャットって言ってたな、休みだから朝から晩までゲームだって。笑』
『まぁ男はゲームさえあれば時間潰せますからね』
そういえば後輩の彼氏も極度のゲーマーだったな。
『そんなことより、見せ方って何です?』
後輩がいきなり私の匿名エッセイについて言及してきた。
『見せ方……いやぁ、美容に秀でる方々が溢れてる世の中で私がなんか言うのおかしいよなぁ、と後から気づいた笑。なかったことにしてくれ』
『逃げないでください』
『続く、って感じにしたかったんだもん』
『だもん禁止』
にゃー、見切り発車の連載だからなぁ。
『人それぞれ違うと思うけど、私の場合だけど、髪』
『ほぅ、髪』
『髪で盛る、アラサーの疲弊感をごまかす』
『ふふ、言えないでしょ、それ、周りにいる人たちには』
『そうだね、今さら盛ってどうすんねん、って感じだもんね』
『でもあったんですよね?盛りたいきっかけが』
えー、それ聞く?