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1.心が暇だ
「やっぱり暇だ、心が暇だ、やらなきゃいけないことはいっぱいあるのに」
アラサー主婦である私は、周りの人々や日々の生活に感謝しながらも、ふと立ち止まっては何かを模索する日々。
要するに強欲なのだ。
でも普段よりも探してしまうのは、このご時世、今までは自然となされていた自己実現が封印されてしまったという理由もあったからであった。
そう、私は今『女子をかじりたい』のだ。
公園業務の時には履けない花柄の白いスカート姿でカフェの抹茶ケーキに細いフォークを入れたり、特にこの後何か約束があるわけでもないのに美容院のヘアカット後に髪を巻いてもらう。
以前はこういう形で無意識に女子をかじっていた。
今やそれどころではなく、身体が無事なことが何よりの現状。
だからこそ、何処にも行かずに、誰にも会わずに、女子をかじることはできないだろうか?
そうだ……。
通常通り家の中で主婦を演りながら、どうにか女子をかじれないか、研究しよう。