表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/158

ロケットはゴースへ


どかーーーん!


大魔王の攻撃は魔法が主だが、実は素手で殴った方が威力がある。

俺がアジト(自宅)で寝ていると、たたき起こす為に扉をグーで破壊する。

その時と同じ衝撃を俺は受けていた。


 ……強烈な衝撃で意識を失ったようだった。

 目覚めた俺は中釣り状態で、だんだん意識がはっきりして今を把握できた。


「あの野郎! ラシャプめマジで突き刺しやがった!」

 大魔王と獣王と元大魔王の策略でロケットで、ゴース公国に飛ばされたが、頭からどっかに突き刺さっているみたい。


「もお~~さ~~。一応は俺は勇者なんだからさあ~~。扱いが雑過ぎないかあ~~」


 心の声が漏れたので、横にいる獣王に聞かれたと思い「そう思わない?」と相槌を期待してえみる。

「うん? あれ? いねーーじゃん! どこ行ったアスタルト!」

 ひっくり返ったロケットのパイロット室には、俺だけで獣王の姿は見えなかった。


「獣王はどうしたんだろう? あの衝撃だとさすがに屈強な体でも……うん? なんか書いてある」

 アスタルトが座っていたシートの背面を、宙づりのままで見つめると紙が貼ってあった。

”散歩してくるな。アディオス!”


「散歩? どうやって脱出したんだ? さかさまでこの丈夫なシートベルトに絡まれて動けないのに」

 獣王の心配をしていて大事なことに気が付いた。

「てか、俺を救出しろよ!」


 がっちり食い込むベルトを外そうとするが、身動き一つできん。


「俺は一応主人公ぽいのにずっと寝たきりで動かいないとか。期待して動物園へ行ったらパンダが寝ていてガッカリするぞ」

 誰に言っているかわからないが、とりあえずなんとかしよう、そうだダマスカスの小剣アレクサンドリアなら切れる。


 だが、宙吊りで体重がめいいっぱいかかているので腰の剣は抜けそうもない。


「困ったぞ。アスタルトはいつ戻ってくる……あいつは俺を忘れている可能性が高い……記憶力がミスターGなみだから」

 とにかくもがき、大声で助けを呼ぶが返事などない。


「まあね、そうだろうね。ハイファンタジーの世界観に巨大な赤いロケットがさかさまに刺さっていたら、普通は近づかないだろうなあ。いやいや諦めてどうする!」

 視線を動かすとロケットの出入り口は閉じられていた。

「扉も空いてないのかあ。外まで俺の声は届かないだろうし、開け方を知っている人間も……はぁ可能性低すぎ」


 宙吊りになりながらでも体に変調をもたらせないのは、さすが勇者の身体でチート済みなのだろう。

 妙な感心をしながら助けを求めるが、だんだんあきらめの気持ちが強くなった時に、ふいに声がした。

 しかも俺の耳元に直接。


「こんにちは。どうしましたか?」

「うぁビックリした! え、? 誰? 」

 何の気配もなくここに入ってきた。声からすると若い女性らしいが頭を向けられない。


「えーーと、どうやってここに入ったの? いや、そんな事より助けてください」

 俺の言葉の後少したってから答えが耳元にあった。

「あーーこれってプレイじゃないのですね。マニアックだなと感心していました」


 俺は動けない体でもがき全身で否定する。


「ないない! なんとかしてくれ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ