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神人の盾


『侵入者あり。メインゲートを破ろうとしています』


 バアルが周りの様子を見て呟いた。

「この声は……女性の声のようだけど、直接頭の中に聞こえる? この場にいる全員に聞こえているの?」


 花びらが舞う春の気候のエールの庭園。

その穏やかな景色に似合わない警報に、周りを歩いていた人々も立ち止まって正門を見ている。


 バアルの頭の中に響く声についてイルが説明した。

「これはダイレクトメッセージ。神人の遺産の遺産の一部が今でも動いているの。この極寒の山中で、わたし達が心地良い風の中で暮らせているのも、神人の残り物のおかげ」


 イルの答えに驚きと喜びを隠せないバアル。

「すげーー、カッコいいな。ナウシカ的なワールド古代の超技術」


 大陸ではおとぎ話として語られれる、神人と六頭竜神との戦い。

 バアルはその壮大で想像を超えた戦いの物語に思いを寄せた。


 イルが話を続けた。

「エールの正門はね、あなたがアイネと一緒に通った巨大な石の門と同じ、天の神子の遺産であるエネルギーシールドで覆われているわ。だから壊される事はないの……って、え、え?」


 冷静に話していたイルの口調が変わった。

「え、なに!?」バアルがつられて焦る。

 周りの人々も門の方を見つめる。正門が白いエナジィで輝き、小刻みに震え始めている。


「イル? どうしたんだ。なぜ、急に門に注目しているの?」

 疑問を持ったバアルに女性のダイレクトメッセージがまた頭の中に響いた。


『侵入者のエナジィ増大中。門のシールドは3層まで破損。内部に侵入されました』


「これは、これは」

 髭を撫でながら門を見ていたエール王は、嬉しそうに口元を緩める。


「バアルは神人の逸話は聞いているでしょ? でもおとぎ話だと思っていたよね?」

 イルが何を言いたいのが分からないバアル。

「うーーん、確かにドライグの長老からは真実だと聞いていたけど、経験したことが無いものは信じないとうにしているからさ」

 バアルの答えに神人の存在についてイルが語った。


「神人は存在した。彼らが作り出したオーパーツ。銀河を渡る鉄の船、星を一撃で破壊する光の束、竜を引き裂く巨人、いかなるものも跳ね返す盾」

 バアルが目の前の正門を見た。

「まさか……神人の盾が正門に施されているの? 今まで門を破壊された事はあるの?」


 軽くを首振り答えるエール王。

「無いな、エール建国から300年の歴史で一度も。なにせ、神の武具なのだからな」


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