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転移の魔法陣


 巨大な悪魔のような姿のアークデーモンが近づいてきた。

「準備が出来たぞ」

「えーと、ありがとう……おじさん」


 あたしの言葉にアークデーモンは、悪魔のような顔を引きつらせた。

「うああ、あたしなんかダメな事言ったかな」

 あたしが焦っていると、ナメコがため息をついて教えてくれた。


「あんたが、おじさんとか言ったから喜んでいるのよ。性格は別にして、可愛い勇者に親しげに呼ばれたら悪い気はしないでしょ?」

「そういう事か……てっきり怒っているかと」


 あたしも頭を掻きながら、アークデーモンのおじさんに笑いかけた。

「エールに飛ぶのは一人だけにしてもらう。その後この転移の神殿は、エナジィを蓄えるために使用出来なくなる」

「どれくらいの時間使えなくなるの?アークおじさん」

「アークおじさん!?……フフ」


 どうしてもあたしには、怒っているようにしか見えない笑い顔。

「そうだな、二年くらいかな」

「二年! 長い!」

「だから後は一人で頑張れよ勇者……そんな感じかな?」

 ナメコの言葉にビビるあたし。


「うはあ、とても心配になってきたよ」


 ナメコがあたしの肩に手を置いた。

「エールは屈強な騎士団が守る平和な街。だから心配いらない……はず」

「はず……って、また、そんないい加減な……」

「大丈夫だって……あははは……」

 ナメコが大笑い。

「笑い事じゃないわよ!」


「じゃあ、すまんがジャンプをお願いする。守り人よ」

 ナメコの言葉に頷いたアークおじさん。

 側に置いていてあった、抱えるほど大きなクリスタルを持ちあげた。


「これがジャンプに必要なエナジィを蓄えた石だ」

 青色に輝くクリスタルを見てあたしは呟いた。

「二年分をあたし一人で使うのか……」


 アークおじさんが、輝くクリスタルを神殿中央の窪みに差し込んだ。

 その時クリスタルは光り輝く。


 壁や床に引かれているラインを通って、神殿の奥にある回路に魔力を送り始めた。

 突然、部屋全体に力の循環を表す魔法陣が現れた。


 直径二十メートルもある巨大な円。

 部屋は魔法陣の発する光で青白く輝いた。


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