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最後の夢
目が覚めて、最初に見えたのは銀色の天井だった。
横にいる見慣れた顔が声をかけてきた。
「お目覚めですか?」
「うん」
「なかなか起きないので、少し心配しました」
「そうか……長い夢を見ていたんだ」
「そうですか……どんな夢でした?」
「すごく楽しかったよ……フッラ」
フッラが二コリと笑った。その笑みを見てマスティマも笑う。
光の河の中を光を越える速度で移動する、天の神子の艦隊が造り出す輝き。
物語はマスティマが見た、ささやかな一つのビジョンだった。