表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
144/158

先制攻撃


 転生勇者バアルと召喚勇者アナトが、古代の神の巨人に相対する。

 ついにラグナロクが始まった。かつてのマスティマ女王の居城グリモアで。

 剣を構えるバアルは呟く。

 「俺はこの為に転生して、戦ってきたのか」

  

 神の機神ヘルダイバαから、距離を取った五人は、即座に魔法による攻撃を開始した。


「全員先行で最大奥義をぶつける! 俺に続け!」


 叫んだバアルの背中に翠の竜のエナジィがゆらりと映った。

 翠の鎧がその姿を変えていく。鋭い鱗の表皮が割れ始め、新たに結合を繰り返し、翠の大竜に変化したバアルは爆風を起こす超大型剣ストームブリンガーを振り込む。


『爆風昇龍剣』 

 翠の風を纏いながら爆風がへルダイバαへ撃ち出される。

 続いてアナトが昴を構えた。

『ソニックブーム』

 アナトは百キロを越える昴を、超高速で横に払った。

 続いてグレンの父親譲りの秘剣が発せされた。

 居合のスキルでエナジィを一点に集中し、高速で必殺技を撃ちだすグレン。

『アルカナブレード』

 バアルとアナト、そしてグレンの必殺技に地面に亀裂が入り、衝撃波が回転しながら突き進む。


 続く必殺の攻撃を回避しようとするヘルダイバα。

 しかし、グレンのソウルイータの特殊能力である呪縛で動けない。

 三人の衝撃波が直撃し、動きを止めたヘルダイバαに向ってアイネが縮地で、一気にヘルダイバαの頭上へ飛ぶ。


 双剣にエナジィを込めて機械の巨人に叩き付ける。アイネの背には剣の軌道、八つの羽が見えた。 

『八翼天使の刃』


 八回のアイネの高速な剣劇、衝撃がヘルダイバαの頭部を破壊し、亀裂が巨人の機体内部へと入り込む。

 内部から炎上して動きを止めたヘルダイバα。


 アイネはが地上にスタッと降た時に、ズズン、古代の巨人は崩れ落ちた。


「やっぱり、わたしって世界最強の勇者様?」

 アナト簡単に倒れた巨人に喜んでいた。

「わたしって……他のメンバーの立場は?」

 グレンが反意を唱えた。

「うん? 何言ってるの! おやじはやられ役に決まっているでしょう?」

 アナトが答えにグレンが懸命に反論する。

「だからさぁ、好きで老け顔でいるわけじゃ……」

 アガレスが言いかけた、その時。


「まて! そう簡単にはいきそうもない」

 バアルが左手を挙げて、巨人に近づくなと指示を出す。


 ヘルダイバαが立ち上がり光り始めた。

 装甲が修復され、防御シールドが回復していく。

 立ち上がったヘルダイバαに騎乗する、ラシャプにアナトが語りかけた。


「随分と古い玩具を見つけたね。闇の王ラシャプ」

「久しぶりだね、アナト……召喚勇者。どうやらエナジィを取り戻したようだ……父親に感謝だね」

 アナトは唇を強くかみ、目の前の父親の仇を見ている。

 ヘルダイバαに騎乗した闇の王ラシャプが、アナトの心の底を見透かして言葉にする。


「おや? 少し焦っているのかな。外も気になっている? 確かに黒き軍団は十万、白き軍団は二千。せいぜいもって二時間くらいかな? たとえ獣王アスタルトと、シルバーナイトのダゴンがいてもね。この国の軍隊が壊滅するまで、君たちには僕の相手をしてもらうよ、クク」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ