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神の船来襲


 アークランドの宿屋のダイニングで休息を取りながら、待機中の中暇そうに欠伸をしながらアナト呟く。

「最近アイネがしっかりしたせいで、いまいち会話が面白くないって評判ね」

 窓際に座って外を見ていたアイネが答えた。

「誰の何の評判ですか!?」

 言葉を投げたアナトは、中央のソファーに座っている。


「そっちこそ、最近イライラしていませんか? とくに、ここに来てからは」

 向かいに座っているバアルがアナトをチラリと見た。

「アナトは感じているのさ、勇者の勘ってやつで。強大な敵の存在を」

 大きな窓から外を見ているバアル。

「たしかに俺も感じているよ。胸がざらつくような感じ」


 暖炉の側で剣の手入れをしているグレンは苦笑した。


「ダークナイトに成り立ての俺ならばいざ知らず、お前達が恐れる相手とは、いったい何なんだ?」

 暗黒騎士グレンの疑問を打ち消した大きな音。


 アークランドの街にサイレンが響き渡り、同時にブロードバンド通信で五人の頭に直接、警告が伝えられた。


「警告シマス。我ガ国ヘ接近スル者有リ。現在敵影ヲ照会中デス……敵ノ照会完了……戦艦ノーチラス。高速接近中」


 アイネとイルが顔を見合わせた。二人が思ったであろうことをアーシラトが言葉にした。

「戦艦ノーチラスって……アイネの夢に出てきた、神様の船でしょ!?」


 アークランドの城壁付近が明るい。この国の魔法技術カガク、サーチライトにより闇の空が昼間のように照らされている。

 宿屋の外に出た七人は明るくなった空を見上げていた。


「神の船はどこから来るの?」

 アナトが珍しく不安げに聞くと、イルが目を閉じた。

 巫女であるイルは交霊(ナチュラル)により、現代のレーダーにも勝る索敵能力を持つ。だだし、ナチュラルを使うにはイルの心が安定している必要があり、闇の国のように強い負の力が働く場所でも使用出来ない。


 目を開きイルは南西の方向を指差す。

「あそこから、巨大なものが向ってくる」

 アークランドの警報が市民全員へ向けて鳴り続く。


「全市民ハ待避。シェルターノロックヲ解除シマス。エンジェルナイトハ戦闘準備。白ク高キ塔ヲ守レ」

 一つのサーチライトに照らされ、遠くに船の影が映った。


「馬鹿な。空を飛ぶ船だと!?」

 グレンが呟き、そして現れたそれがすぐ上にまで来た時、全員が驚嘆した。

 数百メートルを越える空を飛ぶ金属製の戦さ船。その船体には文字が刻まれていた。


 “SSN-571 Nautilus”


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