表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
116/158

戦力差


 闇龍の迫る大軍の先で先兵を迎え撃つのはたった三人。

 アイネ。アスタルト。アガレス。

 アイネは瞳を閉じて、エナジィを高め始めた。

 アスタルトとアガレスは何かを言い合っている。


「え? 聞こえない。こんなにうるさいと……で、何か用か……アスタルト」

「何? 声が聞こえない、アガレス。もっとでかい声で言え!」

 まるで滝のように高く頭上から崩れるように、真っ黒な大軍が降りて来る。


「思ったより数が多いな。それに声が聞こえない。これじゃ、作戦どおりに戦闘など出来ないな」

 両手をちょっと上げて、お手上げのポーズ取った二人の目前に、闇龍軍団の先陣が迫った。


 その時、白銀軍団全員の頭の中に、エンジェルナイトのフッラの声が、頭の中に直接に響いた。


「通信ポート開放完了。これよりブロードバンド通信を開始します」

 周りの騒音から解放されたアガレスとアスタルト。


「おお、よく聞こえるぞ。アガレス、お前の声も!」

「うむ、アスタルト。これがエンジェルナイトの技術なのか?」


「アガレス、アスタルト……暴れてくれ」

 普段より良く聞こえる、アイネの声に振り向く二人。

 ガハハと戦場で豪快に笑う二人。

「しょうがないな!」


 アスタルトがその場から消えた、縮地だ。

 一瞬でアスタルトはアイネの前に出ると、斬り掛かった兵士を二、三名、まとめてぶん殴る。拳の速度はどんどん上がっていく。あとから押し寄せる闇龍軍団にカウンタを駆使し、無意識の反応で敵を弾き飛ばしているアスタルトが、突然大きく空中へ飛んだ。


「おいアガレス!」

 足下をアガレスのソウルイータがかすめ、唸りを響かせて大地を一閃! 半円を描いた衝撃波が敵陣の奥へと進む。


「あぶねーな。オレのハクセイができるぞ」

 アスタルトが空中でクルっと廻りながら言った。


「ふん!」

 大剣を大きく返して、二度目の衝撃波を打ち込むアガレス。

「ちょっとだけ、外れたな」

 軽やかに大地に降り立つアスタルト。二メートルを越す獅子が笑う。

「ガハハ……オレのハクセイなら高く売れたのにな」

 力を込めたアスタルトから、無数の拳が打ち出される。


『獣王百烈拳』

 アスタルトを中心に、外へと弾き飛ばされる闇龍軍団。

 二人が守るアイネのエナジィが、最大に高まっていく。


 目を開いたアイネが右外へと手を空にかざした。

 力の循環が始まり空中に巨大な魔法陣が描かれる。

 

 大地から空の上から、稲妻が上下に走り魔法陣に吸い込まれていく。

 アイネは掲げた右手を闇龍軍団へ向けて、その力を放った。


『ラ・シャイニングスパーク』

 数千もの巨大な稲妻が、闇龍軍団に降り注ぎ、百人近い兵士達が倒れていく。


「さすがだな。エール騎士団の麒麟児」

 アスタルトは呟くと、アガレスと共にアイネの前に戻って、強力な魔法を打ったアイネのクールタイムを守る。


 二人が構えた時に。上空のフッラから敵の情報が響く。


「敵の分析が完了しました。敵の総数は十二万六千二百五十六名。我が軍の十倍以上です」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ