反対言葉!?
食事中隣のテーブルの会話が耳に入ってきました。5歳児のSくんとHくんが職員のIさんと話しています。
Sくん「(お皿のお肉を指しながら)ねぇ、“にく”の反対はな〜んだ」
I「んー、くに!」
Sくん「せーかい!」
I「じゃあ、S(くんの名前)の反対は?」
…と、さかさま言葉で言葉遊びを楽しんでいます。
こういう言葉遊びは、言葉がひとつひとつの音の連なりであり、ひとつひとつの音に分解できる、という概念を覚えた頃から楽しめます。これは文字への関心とワンセット。ひとつの音にひとつの文字という日本語の特徴をベースに、ひと文字ひと文字ひらがなを拾い読みするようになるとできる遊びです。
一方、Hくんはさかさま言葉にはあまり興味が出ない様子です。ところが、Iさんが趣向を変えて「じゃあ、重いの反対は?」と聞くと、目を輝かせて「軽い!」と答えます。
I「長い、の反対は?」
Hくん「……短い!」
こちらは対義語での反対言葉。言葉の持つ、意味の世界で対立する概念を考える力が求められます。数や量の概念が理解できるようになり、「〇〇」に対して「〇〇じゃない」という対立だけでなく「いっぱい」に対して「ちょっと」というような対義語が語彙のなかに位置づけられると楽しめる反対言葉です。
Hくんが、対義語で答えている横で、Sくんは「お・も・い……い…も…お!」とさかさま言葉にこだわっていて、ひとつのテーブルを囲んでいるのに、見ている世界が違っているようで妙におかしさを感じました。
ひとつの言葉を、(音・文字)の世界で捉えるか、(意味・概念)の世界で捉えるか。どちらも必要な知性働きであり、育ちの道筋のひとつです。
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