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保育士おへそのごま の保育エッセイ  作者: おへそのごま
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ワルいことしちゃおう〜殻を破る経験を〜

保育園で働いています。

日々の保育のなかで、子ども達と笑いあったり、感動したりしたエピソードを、保育士の視点からお届けします。

よろしくおつきあい、お願いいたします。


 雨です。結構な降りで園庭は水びたし。雨水を集めた日よけのタープからはボタボタと水がしたたっています。テラスには園の夏祭りでヨーヨーすくいに使ったビニールプールが置いてあります。それを見てひらめきました。

早速、年長児のHくんを中心に何人かの子に声をかけ「ね、ね、ワルいことしちゃう?」と誘いました。


 ねらいは2つ。①雨を五感を使って感じ、楽しむ。②普段ならやらないことを、あえてやることで殻を破って挑戦してみようという意欲につなげる。


 そんなねらいを持って子ども達を誘ったのは、ビニールプールを頭の上にかついで中に入り、雨の中園庭へ突撃!すること。

 ①のねらいとしては、裸足で感じる水たまりの冷たさや泥の感触、ビニールプールの天井に当たる雨だれの音、肩を寄せ合う友達との一体感、などなどたくさんの「感覚」をわーっと混然一体となって感じとることができたのではないかと思います。これはこれで、素敵で得難い経験として楽しんでほしかったのですが、ごまとしては今年の年長児には②のねらいでの経験を重視していました。


 今年の年長児はとても心優しく“いい子”が多い集団。それは別の見方をすると、常識的で大人の言うことに従順、自分の殻をなかなか破れない子達だとも言えます。そんな子ども達に殻を破る経験をさせてあげたい。そのためには何か突拍子もないことを、大人が「共犯」になることで「え、そんなことしていいんだ!」という体験を用意したい、と以前から考えていました。


 ねらいはバッチリ。裸足で雨の中へ出ようとすると「え?汚れちゃうよ?」と言っていたHくんも、最初は「え〜…?」と遠まきに眺めていたSさんも、他の保育者がどう思うかと心配そうに周りをうかがっていたKくんも、みんな大興奮で、雨の中水しぶきをあげていました。ちなみに、「共犯」のごまは「ナイショだよ!こんなワルいこと、絶対にナイショだからね!」と子ども達の心理ハードルを上げることで、殻を破る快感をより感じられるように盛り上げていました。


 ひと通り雨の中、プールをかついで練り歩いた子ども達。「楽しかったァ〜」といい笑顔で、本人達としてはコッソリのつもりで、濡れた服を着替えて保育室に戻っていきました。

お読みいただきありがとうございました。


ゆっくりとマイペースに書いていこうと思います。

何かのときにふと思い出して覗いてみたくなる、そんなエッセイを目指したいと思います。

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