第13話 アヤメと大樹ハウス
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怠惰なる豚~小説家になろう~
@taidanabuta
「分かったわ…。あなたの従魔とやらになってあげる……」
はぁはぁと肩でしていた息を整えてから、アラクネクイーンは答える。脚はまだガクガクしていてその度にたわわな胸が揺れ動き、実に扇情的だ。
「い…いけません……! 女王様……!」
「いいえ、いいのよ…。あなたも感じたでしょう? 彼の力を…」
「女王様を犠牲にするわけにはいきません…! 負けるのが分かっていようと私たちも最後まで一緒に戦います…!」
「気持ちは嬉しいけどそんなことはさせられないわ。それにまだ騙されたと決まったわけじゃないのよ…? でももしものときは1人でも多く助けられるようにするから…」
なんか俺が悪いことをしているみたいな気分だ。
「別に悪いようにはしないから。始めるぞ?」
すぐに契約魔法を交わして、従魔の契約をする。
隷属魔法の方が契約の同意の過程が必要ないぶん楽なんだけど、一応望んで従魔になったことを強調するために今回は契約魔法を使ったのだ。
魔法特有の光がおさまったのを確認してから言う。
「よし。これで契約は終わりだ。名前をつけておこう。そうだな……。アヤメとかどうだ?」
「アヤメ…。いい響きね、分かったわ。これから私はアヤメと名乗るわ」
噛みしめるように、言い聞かせるようにアヤメは言った。
ほかのアラクネたちは「守れなかった」とか「女王様、私たちのために…」とか言って嘆いている。
だから何もしないって……。
『新しくアラクネたちが仲間になった。これから異空間で主に裁縫とか被服関連を担当してもらおうと思う。各自、後で挨拶しておいてくれ』
配下たちに一斉に念話して情報を共有しておく。
自分の仕事優先でいいと伝えたからすぐに急いで来るというようなことはないだろう。
「リズ、レオ、いい人材を見つけてくれてありがとうな。もう戻っていいぞ」
事の成り行きを見守っていた2人に言う。
「はい! また何かあったら連絡します!」
二人はこの後もここら辺の探索を続けるようで森の中へと消えていった。
「俺たちもいこうか。まずは安全なところに連れていくからついてきてくれ」
異空間への転移門を開いてその中に進む。
後ろからぞろぞろとアヤメを先頭に1列になってついてきている。
躊躇うかと思ったけど覚悟は決まっているようだ。
見渡す限り草しかない平野に着く。
「よし。ここら辺でいいか。ここにお前達の家を作ろうと思う」
「…家? こんな何も無いところにかしら?」
「ああ、ここは俺の空間、俺が作った世界だから大抵の事はできるんだ。どんな家がいい?」
「そうね…最低限木があればいいわ。出来れば枝が太い大きな木だったら嬉しいわね」
「そういえばアラクネってどうやって寝ているんだ? 巣を作るのか?」
さっきのところには巣のようなものはなかったし、今は普通に地面を歩いている。普通の蜘蛛とは違いそうだ。
「私たちは基本的に糸で巣を作ったりとかはしないわ。地面は地中から魔物に襲われるかもしれなかったから、寝る時は木の上に落ちないように掴まって糸で体を固定しながら寝ていたわね」
アヤメは脚を曲げて身を低くしている。
「ここには俺の許可がないと入れないから敵なんていないぞ。敵がいなければ普通に寝るんだよな?」
「ええ、危険がないなら地面でも寝れるわね。私はもう慣れたけど木の上だと狭いし、体勢もきついから地面で寝られるなら嬉しいわ」
なんとなくわかった。その後も何度か質問しながら魔力を費やして具現化していく。
アラクネの増えるスピードは結構早いらしいからでかいほうがいいよな。
〜〜
出来上がったのは雲を突き抜けるほどの高さの木で、幹の直径は1キロくらいはありそうだ。
枝が先の方に行くほど多くなっていて、ブロッコリーみたいな形をしている。
さすがにここまでのことをできるとは思っていなかったのかアラクネたちは皆、素直に尊敬の眼差しを向けてきている。
先ほど見せた魔力より余裕で多い魔力を使ったからな。
魔物に分類されるだけあって圧倒的な力の前には抗えないとかじゃないだろうか。
「案内するからはぐれないようにな」
「え、ええ。わかったわ」
バカでかい木なのに案内って? と思っていそうな顔だ。
なぜ案内の必要があるのか。
それはこの木の中が空洞で、言葉通りのツリーハウスのようになっているからだ。
まあ外側からはただの木にみえるようにしてあるからな。
大きな入り口があるほうまで行って中に入る。
そのまま一階に作った転移扉の部屋をスルーして一直線に進んでいくと、一階から最上階まで吹き抜けのようになっている空間に出る。大樹の中はアラクネたちが糸で上下移動しやすいように中央付近をくりぬいたような作りにしていた。ドーナツ状に部屋を作っていったため、多くの部屋に窓があり、外の太陽から光を取り込むことができるようになっているのだった。
大樹の最も中央には最上階まで通じているエレベーターがある。住むのはアラクネたちだから必要ないと思うが、この大樹ハウスは異空間の中で最も高い建築物となったので遊びに来た人用のエレベーターだ。
一階と最上階に大浴場や厨房など、主要な施設をかためた。
最上階には天井や壁が開く部屋も作っており、天然のプラネタリウムも楽しめる。
空気は薄いし、星がバラバラだから星座も分からないけど…。
二階と三階は時を止めた保管庫のような場所やだだっ広い集会部屋のようなものがある。
仕事とかはここでやるといいだろう。
四階からは普通の部屋だ。
使うかは分からないがキングサイズ二つ分くらいのどでかいベッドが設置してある。その他、トイレ、部屋や廊下の広さなど、もろもろアラクネ仕様、アラクネサイズとなっている。
普通のアラクネで頭の位置が2メートルくらい、アヤメだと三メートル弱…は言いすぎか。それでも2.8メートルくらいはあるからな。
「ほ…本当にこんなところに住んでいいのかしら…?」
一通りの説明が終わった後、アヤメが言った。
「ああ。これからは仲間だからな。これくらいのことはするさ。まあ仕事はしてもらうけど…」
アヤメたちは集まって何か話をしはじめた。
すぐに終わったようで皆、こちらを向いて姿勢を低くする。
「我が君。私たちはあなた様のことを誤解しておりました。申し訳ございませんでしたわ」
アヤメの言葉に続くようにアラクネたちも謝罪の言葉を口にする。
深く腰を折って…腰がどこかはわからないが…頭を下げて謝罪してくれた。
「そして本当にありがとうございます。私たちが長く求めていた安全な土地だけではなく、このような立派な住処まで作っていただけるなんて…。あなた様の従魔になれた幸運に深く感謝を」
アヤメが少しかたい雰囲気で言った。
こういう時は「気にするな」じゃなくて…
「これからの働きに期待するよ」
皆、安心したように頷いた。
それにしてもすごい態度の変わりようだな。
もう疑ってはいないようでよかったけど。
「それとアヤメ」
「はい。なんでしょう、我が君」
「話し方は今まで通りで頼む。堅苦しいのは好きじゃないんだ」
奴隷たちならまだしも従魔だしな。まあ魔物と人間が混ざっているような見た目だしどっちでもいいんだけど混ざっているのが俺の嫌いな蜘蛛ということでこいつらは若干従魔よりに見ていた。
「……分かったわ。あなた様がそう望むのなら…」
「あなた様もなしで」
「分かったわ。主様」
「よし。それじゃあ後は自由に使ってくれ。仕事はおいおい頼んでいくと思うからそのときはよろしく。あと、俺の配下たちが挨拶に来ると思うから、仲良くしてくれ。ちなみに俺が来る前にアヤメたちの相手をしていた二人も配下だ」
「あの二人に会わなかったら主様にも会えていなかったのよね。お礼を言っておかないと…」
アヤメ以外のアラクネたちも特段嫌そうな反応はしていなかったので少し安心だ。
「あたしはやっぱり上の方がいいな! でも景色が見えるように雲より下で」
小声で自分の部屋をどこにするか嬉しそうに相談しているアラクネたち。
適応力の高さに驚きつつも、もう大丈夫そうなアラクネたちを置いてリタの元へ転移したのだった。
糸で上下移動するとか発想はいいけど想像はしたくないですね。
ただいまフォロワー0の悲しい状態なので誰か助けてください!
____○_(土下寝)




