第11話 使用人ホテルと5人の武器
設定や登場人物紹介のところ、更新しました。
俺がいない間はテキトーに歩いて出会った魔物を倒していくといった感じだったようで昼前に転移したところからだいぶ離れていた。
「ソータくん! ほてる? は出来たんだ」
「うん。結構いい感じのができたと思う。後で後でみんなを案内するよ。今はレベル上げを頑張ろう」
「分かった。ソータくんも戻ってきたし、今まで通りのやり方に戻そうと思います」
「はい! 俺はどっちでも大丈夫です!」
「私も構わない」
リタの言葉にレオとリズが返す。
「使用人ホテルの案内とかもしたいからペース上げていくよ。どんどん倒していってね」
転移で魔物の近くまで行ってバインドで動けなくした後に転移で三人の元へ連れていく。これをずっと繰り返すだけ。何も考えずに無心で繰り返す。溜まってきているだとかは考えない。二人も全力で倒していっているから少しでも邪念が混ざればたちまち在庫の魔物が死んでいってしまうのだ。
スピードアップした結果、午後の3時頃には二人のレベルも200を超えることに成功した。
「そろそろ今日は戻ろうか」
自分のステータスに少しずつ慣れてきたリズとレオ。
もう俺たちが監督しなくても二人でならボスクラス相手でも無傷に近い形で勝利を収めることが出来るだろう。
〜〜
先ほど作った使用人たちのホテルの前にみんなを集める。
「こ、こんなに大きい建物が…」
まずはその巨大さに驚いているようだ。
奴隷たちの家ということでもっと小さいものを予想していたのかもしれないな。
「たった3時間足らずで建ってしまうなんて……」
違った。建てるスピードに感動しているようだ。
「建ててからリズたちの経験値稼ぎも手伝ったから実際には1時間くらいだけどね」
「なっ! 一体どうやって…」
「この空間では大抵のものは魔力で生成できちゃうんだ。こんな風にね」
といって、ホテルの前に謎のオブジェのようなものを作ってみせる。
「すごい…。さすがソータ様。なんでも出来てしまうんですね…」
「なんでもはできないよ…。できることだけ…」
某委員長風である。
「いや、でもソータくんほんとに何でも出来ちゃうよね。むしろ何ができないの?」
「うーんと…。元の世界に戻るとか? ……。」
元の世界に戻ろうと考えた瞬間になんか出来そうな感じがしたけど言わないでおくことにする。元の世界に帰ろうなんて考えもしなかったから気付かなかったけど、あの天使ですら世界間の転移が出来ていたのに俺ができない道理がなかった。ましてや俺はもう半神だし、この世界の神、ダインより余っ程強い。逆にどうやったらできないの? って感じだ。
「ソータくん…、もしかして帰れるの…?」
ポーカーフェイススキルを使っているのにリタには通用しないことがある。今回も悟られてしまったようだ。
「帰るつもりは全くないよ。リタがいる限り、そこが俺の居場所だから」
「……。この指輪に誓う?」
あの日、俺が渡したペアリングは神級の魔道具だ。
二つで一対となっていてどちらかに生命の危機が迫った時、もう片方の元へと転移させてくれる。
相手がどこにいるのか、なんとなく分かる。
相手の合意があれば何を考えているか伝わる。
などなど、他にもたくさんの効果が付与されている。
「うん。誓う。リタの隣は俺のスペースだし俺の隣はリタのものだよ」
「そっか。よかった、本心みたいで。ソータくんがもし戻ることになったら私も連れて行ってね」
リタからも本気で言っているのが伝わってきた。
「わかった。戻る時はリタも連れていく。リタが嫌だって言っても絶対に連れて行っちゃうから」
全部本気だ。
「元の世界って……?」
「帰るって何…? どういうこと…?」
「とりあえずまたお二人がイチャついてるってことは分かりました!」
ついていけていない奴隷達だった。
〜〜
「こんなに良くして貰って……本当になんてお礼をしたらいいのか……」
みんな思っていたことを代表してニックが言ったという感じだろうか。みな「本当にそうだ」と言ったふうに首を縦に振ってニックに同意している。
「気にするな。せめて自分の手の届く範囲くらいはいい暮らしをさせてあげたいからな」
「本当にありがとうございます! ソータ様に買ってもらえて私たちは幸せ者です!」
マリーが言う。
奴隷になってる時点で幸せではないと思うけどね…。
「まあ、使用人ホテルは気に入ってもらえてよかったよ。今日からはこっちに住むといい。食事についてはまだ人数が少ないんだし、屋敷のダイニングでとることにしようか」
一人で落ち着ける時間も必要だろう。いつも上司が近くにいるというのは疲れそうだし…。
了承した、と皆が頷く。
「それと、今から倉庫に移動して武器を配ろうと思う」
リズとレオ以外の5人には何も渡していなかったのだ。
「はい! 楽しみです!」
ミーシャを筆頭に目を輝かせていた。
〜〜
ミーシャはテイマーになる予定だから後方支援って感じになるだろう。それなら弓がいいだろうか? それと近づかれたり、懐に飛び込まれたりした時用に小刀みたいなのが欲しいところか。
ニックは畑仕事を担当するわけだしやっぱりクワだな! 土を耕せばどんなに硬い土でも簡単に刺さるし、もし石があったとしても一緒に耕してしまえるほどのものだ。もちろん、生物にその刃を向ければ殺傷力は超一級品だ。ネタ武器として作っておいたが役立てる日が来るだなんて……。
マリーはメイドだし暗器みたいなのがいいけどそういうのはあんまり作ってないんだよな…。ナイフみたいなのでいいか。投げる用のもだな。ナイフ一式みたいな感じで。
サラはどうしようか…。メイドに似合う武器……。バリエーションは増やしていきたいんだよな、全員違う武器を持っているなんてのが理想ではある。そっちの方がいろんな状況に対応できるからな。でも人数が増えていけばそうはいかなくなるのは分かってる。しかし、最初の奴隷達くらいは変えておきたい。なら……、大鎌でいいか…。リタよりも明るめの茶髪の落ち着いた雰囲気のメイドが死神のような大鎌を持って戦う。かっこよさそうだ!
そうするとリリは……斧なんかでどうだろうか。ハルバードのようなタイプのものだ。腰まで伸びた金色の長髪を一つに結んだ巨乳の比較的華奢なメイドが自分の身長よりもでかい大斧を振るって相手を屠っていく。いいんじゃないか?
本人達の希望も聞いてから、それぞれ問題ないようだったので災害級以上の武器や防具を渡していく。
「はい。じゃあニックはクワ、マリーはナイフのセット、ミーシャは魔弓と小刀、サラは大鎌、リリは大斧でそれぞれにあった防具をつけるって感じだね」
一式渡した後に外に出て確認してみる。
「ソータ様! このクワこんなにサクサク土に刺さっていきますよ!」
「このナイフ、投げても戻ってきますよ!」
「魔弓って矢がなくても周囲の魔素と自分の魔力を取り込んで弦を引けば打てちゃうんですね!」
「すごい…! 大鎌を振ったら何かが伸びたみたいに飛んでいった! 当たった場所がスッパリ切れてる!」
「私でも持てるくらい軽く感じるのに攻撃した時は見た目通りの重さの破壊力以上になってる…!」
全員気に入ってくれてよかった。
〜〜
「今日はリズとレオは二人だけで最後の大陸を探索してくれ。もう既に俺たちの監督が必要ないくらいまでになってるからな。そしてニックとマリー、俺とリタについて来てくれ。経験値稼ぎをするぞ。他の人達は昨日と同じように仕事を頼む」
ニックたちを選んだのは農地整理に魔法が必要だったからと、今のところ、メイド達の中で中心にいるマリーが先に強くなっておいた方がいいだろうと思ったからだ。
「今日は、昼は各自お弁当を持っていってそれぞれで食べよう。経験値稼ぎに集中したい」
「すぐにお弁当の用意をしますね」と言って3人は料理を始めてくれた。
今日も特段変わったことをするわけではない。
相手が変わるだけで今まで通りのレベリングをしていくだけだった。
手際よく作ってくれた弁当を持って、それぞれ、頼まれたことをするために屋敷を後にしたのだった。
気が付いたら連休もとっくに後半だったという事実……。
日常には戻りたくありませんね……。
【他殺志願恋愛 ~自殺が認められた世界で~】という短編小説を書いてみましたので興味がある方は読んでみてください!(*- -)(*_ _)ペコリ




