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第4話 異空間でのソータとこれから

修正しました。

あれから二週間ほどたったが、俺はまだ異空間に引きこもっていた。


していることといえば、魔道具や武具などの製作。それと異空間の整備だ。


まずは製作について。

邪神軍を倒したということは死体もたくさんあり、素材には困らないということである。

アイテムボックスの中には数えるのも億劫なほど大量の一級素材がつまっていた。

そこでこの素材を何かの役に立てないともったいないということで、作成系スキルの確認がてら魔道具やポーション、武器などを一通り作ってみた。

できたのはどれもこれもが、売れば一財産築けそうなほどのすごい性能である。素材さえあればスキルのおかげで容易に作れる。 

興が乗って作りすぎてしまうのもしょうがないことだろう。 

今では初日に作った家と同じくらいの大きさのでかい倉庫に置き場がなくなってしまいそうなほど作ってしまった。ここにあるものを使えば誰だって簡単に世界征服できてしまうだろう。


俺のお気に入りはこの長剣だ。

一見普通の冒険者が使っているような見た目の剣であるが、実は物凄い力を持っている。



というわけではない。


ただ切れ味がいいというだけの剣だ。物凄い性能の武器なら倉庫に山ほどあるがこれはその中で下から数えた方が早いほどのものである。

でも冒険者って感じがしてロマンがあるので気に入っている。

物凄い性能の武器は見た目も派手なものが多くてどちらかと言えば勇者が持っていそうでなんかいやだ。 



名前 なんでも斬れーる君  等級 国宝級 (災害級)


説明 なんでもは斬れない。 が、大体のものは斬れる。

防水、防腐、自動修復、切れ味向上が付与されている。




魔道具や武具には等級というものがある。

上から順に、 神級 伝説級 災害級 国宝級 超級 上級 中級 下級 といった感じだ。


ちなみに魔法も規模などによって等級分けがなされていて、

上から順に、 神級 伝説級 災害級 儀式級 超級 上級 中級 下級 となっている。


なんでも斬れーる君の等級は国宝級となっているがいろいろと付与した結果、災害級となってしまったようである。 

一般人からみたらこれでも物凄い性能の武器といえるのだろう。




次に異空間の整備について。

太陽や月、星空を作った。時間の流れは外の世界とほとんど同じにしている。

高層ホテル、湖の畔にあるセレブが住むような別荘、広大な森、畑や牧場のようなものも作った。

この異空間の中はとんでもない広さになっていた。だから景観に合わないものはそれぞれ見えない程遠くに離して作っている。それによって行き来が不便になってしまうだろう。だがそれも対策した。

それぞれの地区ごとに扉を作り、そこから転移できるようにした。新しく地区を作るごとに扉を増やしていった結果、地区ごとに転移扉をまとめて設置した転移扉専用の部屋を作ることになった。自分一人だけなら扉など必要ないのだが、仲間を増やしていけば必要になってくるだろう。


朝起きたら高層ホテルの最上階、大きめのジャグジーのようなものに入る。 

そこから見える景色はいい。見晴らしを遮るものは何もない。


夜はどこかの旅館にあるような露天風呂。星空を眺めながら入る。

雰囲気が最高にいい。優雅な生活をしている自分にも酔いしれる。


そんないい生活を送っていたが、ここでも作れないものが二つあった。


一つは食べ物。


半神となった今、別に食べる必要はないが娯楽として楽しんでいた。倒した魔物の肉と、

邪神として生き、最後は人間として死んでいった()()()、 橘 さんの置き土産。

調味料や米、野菜などだ。

宝箱は魔道具であり、中の時が止まっている魔法袋のようなものだ。


橘さんが人間だった頃、各地を冒険して手に入れたものだ。彼は時々故郷を懐かしみながらそれらを楽しんでいた。


だがそれも量には限りがある。食べ続けていれば時期に無くなってしまう。

だから作ろうとしてみたのだが調味料はおろか、米や野菜なども作ることはできなかった。


草木は作れるのに野菜はだめなのか。 

とか思いながらいろいろ試して、食べ物判定をされたものは作れないことがわかった。

謎ルールである。


が、なぜ魔力を使って魔法が発動するの?と聞かれてもそういう世界だから。としか答えられないだろう。だから気にしても無駄である。


畑を作ったのは外の世界から種でも持ってきて育てようかと思ったからだ。

今は水路と耕されたフカフカの土があるのみだ。



作れないものの二つ目は生き物である。

意思を持って動くものは作れなかった。

作った牧場や養殖場にも生き物はいない。


それによって生じた問題があった。


寂しいのだ。


この空間の生活は充実していて不便などない。

元の世界では憧れられるような生活もできているし、とても楽しい。


でも寂しさは紛れなかった。

そろそろ外に出て人に会いたくなってしまった。

こんなにも人恋しくなってしまったのはいつぶりだろうか。


とりあえず外に出て邪神の記憶にあった街へ行ってみよう。


邪神となって長い間力を蓄えていた橘さんの記憶がどこまで役に立つのかは分からないが、手下の報告を聞いていた限りでは一番近い街でも相当な距離がある。


まだ朝と言われる時間帯だし出発してもいいだろう。

街についたら冒険者になりたいな。


それと、


こちらの世界では好きになれるような人がいるだろうか?



とっくに三次元での恋愛は諦めていたと思っていたのに、異世界ならもしかして…という気持ちが大きくなってしまっている。本心では恋をしてみたいと思っているのだろうか。


これからどんな人に出会い、どんな経験をしていくのか。

もしかしたら俺も橘さんのようになったりするかもしれないな。



これからに想いを馳せながらソータは異空間を出て、街を目指すのだった。

次回予告




歩く臨時収入 と 街に入るまで

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