第9話 二人の世界
消されるのが怖いので深い描写はしてません。ピロートークは少し入れましたので許してください。
読んでいる最中は顔にご注意ください。
朝、朝食が出来たのでリタを起こしに行く。リタはいつも通りぐっすり眠っている。軽く呼びかけると頭が眠った状態のリタがベッドから這い出てきた。そんなリタの手を引いてダイニングへと移動する。いつも通りの朝だ。これでいい。このお互いをよく分かって信頼し合っているみたいな感じが大好きだ。
「ソータくん、出かける前に少し時間を貰っていいかな?」
「もちろん。俺はいつまでも待ってるから、好きなだけどうぞ」
デートするのに身だしなみは整えておきたかったのだろう。俺はそのままでもいいけどリタが俺のためだけにおしゃれしてくれるのはものすごく嬉しいので素直に待っている。
さほど待たずしてリタが来た。
いつもより高そうな服とスカートを履いて気合十分と言った感じだ。いつもより数段魅力的にみえる。
さりげなく手を繋ぎながらリタを先導するように歩く。デートの舞台はマリオンだ。以前デートした時のように色々回りながら歩く。
服屋
「ソータくん、どっちがいい?」
これは伝説のあれか!
「迷ってるならどっちも買ってあげるよ。正直俺にはリタが着ればなんでも可愛く見えちゃうから」
「うーん。じゃあこっちにする。どっちかっていったらこっちの方が着やすそうだし」
うん。満足はしてくれたみたいだ。
スイーツ店
「あんまり食べたことなかったけど美味しいね! これ!」
「そうだね。女性には大人気って書いてあるよ。こっちでもそうなんだ」
「今なんて言ったの?」
「ほっぺにジャムついてるよ?」
リタの頬についたイチゴジャムを舐めて取る。リタが顔を真っ赤にしてフリーズしてしまった。
「うん。美味しかった」
「なにが?!」
動き出した。
「リタに決まってるじゃん」
また固まってしまった。他になんだと思ったんだろう? ジャム? リタよりジャムを味わえって? 冗談きついぜ。
魔道具店前
「ソータくんアレとアレとアレって持ってる?」
「うん。全部作ったよ?」
「じゃあ大丈夫だね。あ、アレは?」
「もっといいのあるよ」
「さすがソータくん!」
鍛冶屋前
「ソータくん武器っていつものしかないの? なにかいいのがないか覗いていく?」
「屋敷の近くの貼り紙してある倉庫に魔道具と一緒に腐るほど置いてあるから大丈夫」
「そっか。武器も作れるなんてすごいね! 私も作ってもらおうかな?」
「うん! いつでも作ってあげるよ!」
結局鍛冶屋もスルーして次へ行こうという頃、昼の鐘が鳴り響くのが聞こえてきた。
「お昼はどうしようか?」
「じゃあせっかくだしあそこ行ってみよう」
行ったのは雰囲気で高いのが伝わってくるような店だ。ジルの宿の食堂に行こうとも思ったけどあそこにはエリカがいる。せっかくのデートなのにリタとの時間を邪魔されたくない。だから落ち着いて食べられるところにした。食事は値段相応に美味しかった。リタも楽しめているようだった。
ここで思わぬ発見があった。米を使った料理が出てきたのだ。このマリオン付近ではパンやパスタが主食で米なんて見たことがなかったのにだ。店員に話を聞いてみる。
「こちらはマリオンから西にずっといったところにある街から運ばれて来ているものです。うちのオーナーが気に入って特別に仕入れてきているようなのです」
街の名前はリーラというらしい。商業が盛んな街でいろんな国から商品が集まってきているのでその街で揃わないものはないと言われているくらいのところなんだそうだ。次の目的地はここかな?
その後もいろんな店を回った。何度か知り合いだったり、面倒な輩だったりに声を掛けられそうにはなったが今日はダメだ。そんなのは許さない。二人の時間を全力で守りながらリタと街を歩いた。
案内ではなく、今度は両想いの二人のデートとして。
「リタ、今日は楽しんでくれた?」
夕方、辺りが少しずつ暗くなっていき、時計塔がライトアップされ始めた頃、時計塔の目の前の噴水のある広場で時計塔を眺めながらリタに問いかける。
「うん! 楽しかった! 前はソータくんあんまり話してくれなかったから、たくさん話してくれて嬉しかったし」
「前のは街の案内してくれてたし口挟むのもなんだかなと思ったんだよ。それにその時はまだリタへの気持ち自覚してなかったし…」
「知ってるよ! ソータくん3人を私が倒したのを見た時、なんか様子おかしかったもん! だからその時からなのかなーと思って!」
いたずらが成功したかのようにコロコロと笑いながらリタは言った。
「あ、そういえばソータくん、その時から表情隠してない? でもいまはなんか楽しそうだね。なんか少しずつ分かってきたかも!」
今もポーカーフェイススキルはLvMAXで発動中だ。それでも分かるってさすがリタ!
「リタといるとずっと笑顔になっちゃうから。笑顔ってたまに見せるくらいが丁度いいと思うんだ」
言いながら微笑んでみせる。
リタには効果抜群だったようだ。頬が朱色に染まっている。
もうほとんど照らされている広場以外は真っ暗な闇に包まれている。広場には誰一人として立ち入らせていない。そろそろいいだろうと思い、ペアリングを取り出してリタに見せる。
「これ、一応告白は済んでるけどなにか物として残しておこうと思って。受け取ってくれる?」
リタは驚いたと言ったふうだったが、すぐに落ち着いた雰囲気になり、コクリと頷く。リタの左手をとり、薬指にリングの片方をつける。魔法によって大きさは自動で変わるからピッタリだ。自分の方にもつけて、言葉を紡ぐ。
「うん、いい感じだ。リタ、これからもずっと俺のそばで笑っていてほしい。リタが嫌だっていっても俺はリタのそばから離れないからそのつもりでね」
リタは感極まって少量の涙を流してしまっている。それでもリタは俺に言葉を返してくれる。
「私もソータくんとずっと一緒にいたい。ソータくんが嫌だって言っても、ソータくんがもし離れていっても私はソータくんのことを思い続けるから」
そんな健気なことを言ってくれるリタにたまらなくなり、思わず唇を奪う。「んぅっ」という悲鳴にしては可愛らしすぎる声を聞いて正気に戻る。リタの驚くほど柔らかな唇を感じて、心臓が悲鳴をあげる。それを楽しんだあと優しく唇を離し、未だそこに残るリタの唇の余韻をまた楽しむ。リタは耳まで真っ赤に染めあげて顔は見れないとばかりに胸に飛び込んでくる。女性特有の柔らかな肌と髪から香るシャンプーの匂いを感じて心地いい。ずっとこうしていたいという欲にかられる。
少しそのままでいて、落ち着いて来た頃、異空間に戻った。
屋敷についてリタと共に浴場を目指す。浴場は二つに分かれているのでそれぞれに別れて入る。身体を念入りに洗いながら考えるのはあちらにいた頃、ネットで予習していたものだ。リタが初めてなのは魔法で確認したので間違いない。だとしたら初めてはリタが痛みを感じないように、それとリタの気持ちを最優先に考えなければ。自分が気持ちよくなるのは後回しでいい。リタにいい思い出として記憶に残して貰いたい。俺も初めてだがネットで得た知識と動画から盗んだ技術、橘さんの記憶で疑似体験もした。そして魔法もある。俺の全力を尽くしてリタに喜んで貰えるように思考を巡らせる。
リタがお風呂から上がる気配を感じて俺も上がって、先に部屋で待機する。リタは一度自分の部屋に戻ってからすぐに俺の部屋に来てくれた。扉を開けてリタを中に招き入れる。リタはベッドの大きさに驚いているようだったがすぐにベッドの端に腰かけてこちらを上目で見る。リタに近寄って肌に触れるとまだお風呂の熱が逃げていないようで身体が熱かった。そのままリタの肌をたくさん撫でながら顔を寄せて色んなところにキスをする。おでこ、頬、耳、首筋、手、指先。リタの緊張が少しずつほぐれてきた頃、舌を奪う大人のキスをしながらリタの身体をゆっくりとベッドに倒した。
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「ソータくん。気持ちよかった?」
俺に腕枕をされているリタがそんな事を聞いてきた。そんな事気になるのだろうか?
「うん。最高だったよ。リタは?」
「私も気持ちよかった!」
そんなことを言いつつ、ぎゅっと身体を寄せてくるリタ。
かわいい、なんだこのかわいい生き物は!
「ねえ。私の事好き?」
「好きだよ。リタのためなら世界征服もできるくらい好き」
「えへへ。私もソータくん大好き」
「ソータくん!」
「なに?」
「ううん。呼んだだけ!」
「そっか」
「うん!」
「ソータくんぎゅってして?」
(ぎゅっ)「リタいい匂いするね」
(すんすん)「ソータくんの匂いも私好きだよ」
「ソータくん、キスしたいな」
(リップ音
まだまだ夜は更けていくのだったーー。
第三章はここまで。
第四章からはリタが強くなったり、奴隷が増えたりすると思います。
お楽しみに。




