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第7話 ペットと

次話はおそらく明日。

リタと共に冒険者ギルドへ来た。何でもいいから討伐依頼を受けて次は俺の戦闘能力についてリタに知ってもらいたかったからだ。今まではリタの支援に徹してきたので実は超強いことを知って欲しい。何かいい依頼がないか探すが今のままではCランクの依頼までしか受けられないことに気付く。依頼外で強いのを倒すしかないか。とりあえずテキトーなのを受けておこう。


「オーガの討伐依頼…以前に討伐経験があるようですので大丈夫そうですね。受け付けました。それでは、頑張ってきてください! それと、最近森の奥の洞穴周辺でドラゴンらしき影を見たという情報がありますので十中八九見間違いだとは思いますがお気をつけてください」


おお、いいことを聞いた。ドラゴンがこんなとこにいるとは思えないがもし本当だったら使えるな。ここから索敵範囲内にそれらしき気配は見当たらないがとりあえず行ってみるか。


「リタ、昨日は異空間について話したけど今日は俺の戦闘能力を見てほしいんだ、だから今日は何もしないでついてきて」


「分かった。前までは弱い魔物ばかり相手させちゃってソータくんの本気見れなかったもんね。でも危なくなったら私が倒しちゃうからね!」


全力でやったら世界壊れちゃうよ?


「じゃあいつも通り索敵からするね……あっちにオーガがいるみたい。行こうか」


「あれ? 今ので索敵したの? 光ってなかったよ?」


「いつもはリタに分かりやすいように光を出してただけだよ。しかもあれ光魔法で作った光だし」


「えっ! そうだったの! なんだ、でも少し残念。あの光綺麗で好きだったのに…」



「? なんで今光らせたの?」


先を急いだ。



何度か魔物に出会いながら瞬殺していく。これくらいはいつも見せていたからリタも驚いていない。すると急に感知魔法の端に大きな反応を見つけた。本当にいたようだ。ドラゴン。それも属性龍の火、ファイヤードラゴンだった。ドラゴンにも色んな種類がいる。強さ順に弱い方から並べていくとワイバーン、色龍、属性龍、エンシェントドラゴンだ。それぞれに司る色や属性の名前が入る。今回のは上から2番目の属性龍だった。ドラゴンは他の魔物とは強さの次元が違うとされる。冒険者ギルドの依頼では例えばオーガならCランク、レッドグリズリーならBランクとされる。しかしドラゴンだと最下級のワイバーンでさえ討伐依頼の難度はAランク、それ以後はひとつずつ上がっていき、エンシェントドラゴンともなればそんなランクがあるのならばだがSSSランクとなる。Sランクでも国の危機となりえるのに今回だとSSランクだ。リタもこいつを倒したら強さを分かってくれることだろう。


「すごい! ソータくんすごいよ! オーガまで瞬殺しちゃうなんて! しかも私よりも倒すの早かったんじゃないかな!」


オーガは瞬殺だった。ドラゴンに気を取られて今までと同じように首を切り落としてしまっていたようだ。死体を回収してまっすぐにドラゴンを目指す。


「あれ? ソータくん戻らないの?」


「オーガ程度じゃ俺の強さは分からないと思うからもっと大物狙いに行こうと思って」


ドラゴン程度でも分かんないかもだけど。


「そうかな? ソータくんお父さんと同じくらい強いように感じたけど…」


身内贔屓も入っているだろうお父さんと同じくらいと言われてちょっと嬉しい。でもね、リタ。俺もっと強いんだよ?

ドラゴンの元まで歩くのもなんか癪だったのでドラゴンを転移させて匂いであちらが気付くくらいまで近づけると、予想外のことが起きた。ファイヤードラゴンが一目散に逃げ出したのだ。

何故かはわからないがお前はリタのために死ぬんだよ。俺の力を知ってもらう糧となれ! 容赦なく何度も何度も転移させて実質動いていないようにする。それでも何度でも逃げるので面倒くさくなって襲いかかってくるように洗脳した。


グルルァァァォォォォ!!!


「ソ……ータくん……。あれ……。」


リタも気づいたようで恐怖でうまく言葉を紡げないようだ。


「にげ……て…。私が…何とかしてみる……から……」


リタが俺を庇うようにしてファイヤードラゴンとの間に立つ。圧倒的な絶望を前に声を震わせて、それでも守ろうとしてくれる。リタは女神かなにかなの?


「リタ、俺の力、見せるって言ったよね。だから今日リタは見てるだけでいいんだよ?」


リタの前に出て風魔法を纏わせたなんでも斬れーる君を無造作に振るって斬撃を飛ばす。斬撃はファイヤードラゴンの首をはね飛ばして空へと高く上がっていき、やがて消滅した。首と胴体が別れた哀れなドラゴンの死体が目の前に降ってきた。風のクッションを作って受け止める。リタは何が起こったのかと言った顔をしている。


「ふへ? ……何が起こったの…?」


実際に言った。変な声をあげながら。


「これが俺の実力。といっても一部だけどね」


口をあんぐりと開けて驚いている。


「ちなみにこんなことも出来る」


動かなくなったファイヤードラゴンに蘇生魔法をかけて生き返らせて隷属魔法もかける。ファイヤードラゴンは怯えるようにこちらに向かって頭を下げている。お前はペットにするから怯えなくていいぞ?と念を送ってみる。怯えがいくらか和らいだ。


リタはさらに放心状態になってしまった。とりあえずファイヤードラゴンを異空間に送ってからリタに声をかける。が、まったく動く気配がなかったので手をひいて俺たちはギルドへと戻った。


ギルドで報酬を受け取っていると後から声をかけられた。


「君たちはマリオンで特例を受けていた冒険者たちだね。いや、すまない。私はこのギルドのギルドマスターをしているデレク・ガイオンというものだ。昨日までマリオンにいっていてな。特例を受けていたからよく覚えていたんだ」


戻ってきてたのか。


「特例って何のことだ?」


一応とぼけてみる。


「心配するな。ギルドマスターが実力がランク以上の者に優遇したり依頼を回したりすることなんてよくあることだ。義務を嫌ってCランクから先に上げない者も多いのでな。あまり大きな声ではいえぬが個人的にはアンナの対応は見事だったと褒めたかったくらいだ」


やっぱりよくある事だったのか。予想はついていた。特に話しかけた目的はないらしい。新しい冒険者がきたと聞いたから見に来てみたらたまたま知っていたので声をかけた、ということだった。こちらも特に用事はないのでそのままギルドを去った。



異空間に戻ってもリタは元気がなかった。


「リタ、ご飯作るからお風呂入ってさっぱりしてきて? 今の時間帯ならまだ高層ホテルの浴場がいいと思う。転移扉からまっすぐ行くとすぐだから」


リタが覚束無い足取りで浴場へ向かっていった。使い魔を何体かつけているから大丈夫だろうとは思う。


今日はオムライスを作ろう。玉ねぎとオーク肉を細かく切って炒める。次にバターを熱したフライパンに乗せて溶かし、ご飯とケチャップと先程炒めた玉ねぎとオーク肉を全て混ぜ合わせる。それを皿にもったら油をしいて卵を落とす。箸でぐるぐると円を描くようにかき混ぜて卵が固まりすぎない半熟の状態になったら先ほどもったケチャップご飯の上に乗せる。ソースももちろん作る。水にケチャップ、ソースに砂糖、コンソメのようなものなどをいれてフライパンでとろみが出るくらいまで熱する。それを好きなくらいかけられるように別皿にいれたら完成だ。


オムライスが手早く出来てしまって暇なのでファイヤードラゴンの様子をみにいく。


グルルルルルル


何を言っているかわからない。〔念話〕を与えてみる。


『主よ! ここはいいところだな! 敵はいないしなにより草がうまいのだ!』


なんだこいつ。草食なのか? 先程からずっとそこらに生えている草をむしゃむしゃと食べている。


「とりあえず食料は必要なさそうだな。あとは家か、どんなのがいい?」


ここはただの草原だ。


『身体がゆったり入るくらいの穴がいいのだ! それと、出来れば排泄する場所も主が決めておいてほしいのだ。主の空間をむやみやたらに汚すのは気が引けるのだ』


ファイヤードラゴンの体はでかいので小さな山みたいになった。それと排泄場所についてはドラゴンサイズのぼっとん便所のようなものを作った。


「あの時なんで逃げたんだ?」


気になっていたことを聞いてみる。


『ほとんどのドラゴンは上下関係に敏感なのだ。一目で主が強いと分かったからとりあえず逃げたのだ。…殺気振り撒いてたし……』


「なるほどな。殺してすまんかった。やむを得ない事情があったんだ」


『本当になのだ! 本気で死んだかと思ったのだ!』


いや、1回死んだんだけどね?


リタが転移扉をくぐったようなので俺も急いでダイニングに転移して戻る。お風呂に入ってもすっきりした様子はない。


「リタ、大丈夫? 悩んでるなら聞くよ?」


「……。」


言葉を探しているようだ。どうせご飯は冷めない。リタの言葉を待とう。


「…ソータくんはなんで私に優しくしてくれるの…?

ソータくんは私のどこを好きになってくれたの……?」

リタが踏み出しました。

このオムライスおすすめ、おいしい。

くっくぱっど。

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