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第4話 デートと撃退 2

長いので分けました。(後半)

ソータくんと別れて私が向かったのは最初に行った古着屋である。

実はこの古着屋、新品のものも置いている。 下着だ。

服はよくても下着は他人の着古しは嫌だという人が多いのでここでは豊富な種類の新品の下着が売られている。

なぜ下着を見ているか。 昨日の夜エリカに言われたからだ。

昨日デートに誘ったのをみていたらしくあの後部屋に押しかけられて男女の何たるかを延々と語られた。

その中で下着の話が出て、碌なもん持ってないからかわいいの買ってくるようにと言われた。

別になにをするわけでもないのに。それでも備えはしておくものだといわれれば従うしかなかった。

ギルドの休みは今日以外はまだ先だし今日買うしかなかったのだ。


今まで特に気にしたことがなかったのでどれがいいのかよくわからず、店員さんに「私に似合って可愛いのをお願いします」と頼んだら「勝負下着ですね!お任せ下さい!」と言われて恥ずかしかった。

どんな羞恥プレイだ! 別に私もおしゃれとかしてみようと思っただけだ!


選んでくれた柄にはサイズが合うのがなくてどうしようかと迷っていたら、サイズに下着を合わせてくれる魔法があるらしく、それを頼むことにした。 

魔法を使える人が今日はもう帰ってしまったらしく、時間がかかると言われたので宿の名前を教えて出来たら届けてもらうことにした。

エリカに受け取ってもらえるように頼んでおけばいいだろう。



宿への帰り道、ゴーグたちを見かけた。 あちらも私に気付いたらしく一定の距離を保ってついてきた。

宿を知られてエリカたちに面倒をかけるのは嫌だったし、ソータくんがゴーグたちを気にしている様子だった。

ここでつぶしておいた方がいいかな。


ついてきているのを確認しながら人がいない路地裏へと入っていく。

少し入り組んだところまでいくと面白いように絡んできてくれた。


「自分からこんな人気のないところに来てくれるなんてなぁ? 襲ってくださいっていってるようなもんだぜ?」


「私をどうする気ですか?」


分かっているけど聞いてみる。


「いつもみてーにぶち犯してから奴隷商に売るんだよ! あとはあのガキをおびき寄せるためのエサにさせてもらうぜ?」


やっぱり犯罪歴はなにかで隠しているみたいだ。


「てめえら、いい加減腹くくりやがれ!」


さっきから騒いでいるのはゴーグだけで他の二人は「どうすんだ、これ」とか「ほんとうにやるのか?」とか「あとでおこられる」とかいっている。

ゴーグは二人を説得するのをやめて一人で私を襲うことにしたようだ。

私をなめているのかそれともそれほど広くはない場所だからなのか、大剣は抜かずに殴りかかってきた。

分かりやすく大振りだったのでよけて顎を殴って気絶させる。

ゴーグが気絶したのを見てほかの二人も決心したのかそれとも怯えてかはわからないがそれぞれ短剣とククリナイフのようなもので応戦してくる。

どちらも剣筋が甘い。私の方がうまく扱える自信がある。

実戦を離れてる今でも負ける気がしない。

攻撃をよけてゴーグと同じように顎を殴ってどちらも気絶させる。


さて、どうしたものか。 とりあえず武器は回収しよう。


夕方の鐘の音が聞こえてきた。 もうそんな時間! まずい! 特別料金が! 下着を買ったので少し節約したいと思っていたところなのに!

早くどうにかしないと。でもどうすればいいだろう。詰所まで運ぶのは無理だし、呼びに行っている間に逃げられても困る。そんなにすぐには起きないと思うし走れば間に合うかな? あー、もっと考えてから動けばよかった!


そんなことを考えていると一人の男の子の気配が近づいてくる。

この気配は知ってる。 思わず後ろを振り返る。


「あれ? ソータさん! なんでこんなところに?」


さっきまで明るかったはずなのにもう暗くなってきて顔がよく見えない。


「リタさんの帰りが遅いので探していたらそれらしき人を見たという方がいて、慌てて来たんです」


やっぱりソータさんだった。 そっか、ゴーグたちの気配しか気にしてなかったけど見られていたらしい。

だったら呼びかければ誰か来てくれたかもしれない。

それより、ソータさん、近づいちゃダメって言ったのに来てくれたんだ。 ちょっとうれしい。


「そうでしたか。実はあの後用事を済ませていたらこの三人に絡まれてしまいまして。流石にこれは見過ごせませんでしたから。衛兵に突き出そうかと」


自分から絡まれるように仕掛けたんだけど、嘘はついてない。


「でもよくCランク冒険者を相手に勝てましたね」


そっか、そういえば言ってなかったっけ。  いったらどんな反応してくれるだろう。

尊敬されちゃうかな? 憧れられたりするのかな? 言い寄られちゃったりして?

私実は……


「えへへ。私こう見えても実はBランク冒険者の資格ももっているんですよ!」


すごいんだよ!


「……。」


え? まさか、無視? 顔見えないし! 全然動かないし!


「何か言ってくださいよ! 恥ずかしいじゃないですか!」



ふふっ。

彼の笑い声が聞こえた後、見張りは引き継ぐので宿に戻ってくれと言われた。

衛兵はもう呼んであるらしい。ゴーグたちが目を覚ます前にはくるだろう。

さきほどの反応が気になって私も一緒に残るといったのだがここは譲れないとばかりに特別料金のことを引き合いに出してきた。


むむむ。

確かに特別料金は魅力的だ。 ここはソータくんに譲ろうか。


「一応武器は取り上げてありますが気をつけてくださいね」




先ほどの反応は何だったんだろう。 なにか違和感を感じた。 デート中の彼の反応はなんとなく理解できたのに……。

エリカがいっていた男心と女心はお互い理解しあえないという言葉が思い出されるがそんな言葉で騙したくはない。

呆れられてしまった? 知り合いにもっとすごい人がいて、Bランクで自慢した私を見て、いたい人だと思ったのかもしれない。

分かってない? 登録したギルドで受付嬢なんかしていた人がBランクだったからそんなにすごいと思われてないのかもしれない。



頭の中がゴチャゴチャしたまま宿につく。


「おや、おかえり! 珍しいね。こんなに遅いのも。夕食は食べるかい?」


エリカのお母さんが受付をしていた。

「食べます」と答えて食堂に行くといつもの席に人がいた。

それだけではなく半分以上の席が埋まっている。特別料金は終わってしまっただろう。

仕方なく空いている席に座るとすぐにエリカが気づいて注文を取りに来てくれる。


「ソータさんと何かあった?」


「うーん、よく分かんない」


なんなんだろう。


「とりあえずかわいいのは買えた?」


小声で聞いてくるので頷いて後で届けられるからと伝える。


「ならよし! 恋の本質は悩むことこそにあると私は思うのだよ! 恋せよ乙女、悩めや乙女だよ!」


エリカの言っていることは大体意味がわからないけど励ましてくれているのはわかる。

ご褒美だと言って特例として代金を安くしてくれた。 エリカ様様だ。



食事を済ませて受付で待っているとソータくんが帰ってきた。

彼が言うにはあの後衛兵がすぐに来てくれたらしい。

衛兵もゴーグたちに目をつけていたらしく、事情を説明したら時間もかからずに引き渡せたらしい。

私も無事食事を安く済ませることができたと報告する。 

「それは何よりです」といって部屋へと向かおうとしていた。

食事は屋台で買って食べてきたみたいだ。


うーん。 いつも通りの反応だ。 特にあの時感じたような違和感はない。

特に気にするようなことでもないのかな。

でもソータくんと接していれば何かわかる気がする。


ぐるぐる色んなことを考えつつ、私も部屋へ向かった。

備えがあっても憂いはしますけどね。

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