土佐平定
1557年9月24日 長宗我部親泰
忍びから報告が来たときはビビった。まさか、半包囲されているとは……。19日にすぐに城の包囲を解いて夜通し、集結作業をしていたから、包囲に巻き込まれることはなかった。陣もそのままにしてあるため、気づかなければそのまま敵がなだれ込むだろう。さて、だ。
一時安芸城近くの丘陵に撤退して、野戦築城を行なっている。敵の襲撃と安芸城砲撃の為である。詳細な健常者は988人。負傷者98人。死者114人である。被害が大きい。もう少し抑えられると思っていたが……。流石にそう簡単には行かないらしい。
現在、本山家を降伏させた親父と弥三郎兄上がこちらへ向かっているとの事だが、ついでに本山家をどうすればいいか、書状で聞いてきた。自分達で考えろよ……。取り敢えず、本山茂辰に本山城のみを安堵させるよう、返答した。
次に一条家ではあるが、半月前に既に降伏していた。一条兼定は逃がさず捕まえ、岡豊城の離れに幽閉した。現在は絶賛アルコール抜き中である。その内禁断症状でも出てきそうだな。だが、宿毛城だけは降伏せず抵抗を続けたが、中村御所落城の1週間後に落城した。その時に依岡伯耆守は斬首したそうである。余計な事しやがって。
そこらへんの戦後処理であるが、まず栗本城は廃城し旧城下町への指示は中村御所より出す。そして中村御所周辺を新しく買収し、改築する。これは近畿側から攻められ、岡豊城が落城した場合の我が家の居城とするためである。
宿毛には海軍の造船所を作り、今後5隻を同時に建造できるようにする。予定期間は2年~3年と見積もっている。
次に村上水軍、塩飽水軍、伊予の調略も開始した。水軍は調略が成功した場合、長宗我部海軍に編入する。
それと海軍繋がりであるが、ポルトガルよりガレオン船2隻を公家や商人、南蛮人から分捕った金で購入した。ざっと7万貫である。さらに日本語が喋れるポルトガル人とガレオン船建造のために、教官を呼んで昨年より指導させていたが、漸く国産のガレオン船が1隻完成した。今後は西洋人に大金を払うことなく、ガレオン船の建造を行なう事が出来る。長宗我部は材木が大量にとれる。なるべくそれを大事にして、年度末には最低8隻、最大45隻の完成を目指す。財源は俺の家臣が管理する長宗我部の財布。ちなみに浦戸城下の造船所は10隻同時に建造が出来る。
現在その3隻は乗員の練度錬成の為に、北条家の水軍をアウトレンジで叩き潰している。来年からは
砂糖黍や甜菜の存在を思いだしたので、昨年くらいに南蛮貿易で輸入して栽培を開始していた。
最後に現在状態である。安芸勢に囲まれた。以上。終わり。
「作業中止!」
俺命令を各士官が同じ文章のまま伝えていく。そして作業を中止した者たちが集まり始めた。
「昼食後、ここに騎乗して集合。大砲はおいていく。サーベルのみを持って集合せよ。以上解散!」
「「「了解!」」」
一兵卒がそう返事をして一斉に馬のいるところに走っていく。
一刻程経ち、健常者988人の集合した。
「我々は現在囲まれている。恐らく4000近いだろう。このままここで待てば全滅は必至。ならば、敵に攻撃を仕掛け、九死に一生を得ようではないか。幸いにも、敵方大将安芸国虎の陣は分かっている。では、生きて再開しようではないか。これより撤退する。撤退地点は安芸城下。死なないように努力せよ。移動を開始する。我に続け!」
「「「了解!」」」
俺が安芸国虎のいる陣の方まで移動する。
そして移動が終わると、サーベルを抜いた。
「総員抜刀。目標は安芸国虎ただ一人! それ以外は斬り捨てろ。突撃!」
サーベルを振り下ろすと、兵士が突撃を始める。俺はその最後尾にて突撃する。
包囲された状態の軽騎兵が安芸国虎目掛けて、丘を駆けおりていく。これはある意味死兵ではないだろうか。そうでなくても、丘を駆け下り敵に当たった時の衝撃力は想像を絶するものがある。
馬は敵を轢き、騎乗兵はサーベルで相手を切りつける。しかし、止まることなく安芸国虎の陣を一直線に目指す。
すると、手前の方からこれが聞こえる。
「安芸国虎! 討ち取ったりィィィィ!!」
しめた。このまま撤退しよう。恐らく敵は主君の仇を掛かってくるか、逃げるやつのどちらかだ。だが、かかってくると面倒だ。
「このまま安芸城に進め!」
命令を変えて、安芸城に進ませる。通じているといいが……。どうだ?
どうやら、通じていたらしく、安芸城に全員が突っ込んでいた。馬から下り、徒歩兵となり安芸城を陥落せしめた。どうやら、敵は混乱していたらしく追いかけてくることはなかった。運のいい事だ。
「これで、土佐平定はなるだろう。退却してくるであろう敵を殲滅する。城にある使える弓矢や鉄砲を持って来い!」
敵を完全に降伏せしめんとするため、準備させる。時間はない。
1時間して敵が到着した。俺達は弓や少量の鉄砲で応戦した。しかし、やはり落城した城である。中に入られて多数の兵士が討ち取られたが、何とか撃退した。
その後、親父たちが到着するも、親父が急病で倒れた。
「弥三郎兄上、ここは退きましょう。安芸郡と1000お貸しいただければ、安芸郡を守って見せます」
「安芸郡の事は、もとよりそのつもりだ。分かった。1000の兵をお前に任せる俺は、すぐに岡豊城に撤退する。安芸郡を失うでないぞ」
「お任せください。安芸郡は、私は発展させて見せます。では、弥三郎兄上頼みました」
「あぁ。ではな」
そう言って、兄達は兵を率いて安芸城を出て行く。そういえば、忘れていたが去年あたりに、吉良氏の養子になった親貞兄上も初陣をしていたな。
とはいえ、そんな事より内政だろう。
「竹内はいるか!」
「殿、どうされたましか」
少しして、竹内はすぐにこちらへ来た。
「竹内は200の兵を引き連れて、すぐに安田城に向かってくれ。丘陵に置いてきた火縄銃や大砲も残っているようなら回収してくれ。後で指示を送る」
「ハッ!」
その後も、家臣を各城に送ると、俺はすぐに安芸城の天守に向かう。さて、来年の四国統一までには安芸郡を発展させなければ……。
第一章目標的には完結です。ですが、少し小話で何話か入れる予定です。まぁ、他作者様と決まった事を書いていくという感じになりますが。