平定2
1557年8月18日。安田城を取り囲んだ親泰はカルバリン砲で3日間一昼夜一定間隔での砲撃を続けていた。真鍮製は120発程度が限度である。その為、100発で収まるよう、計算して砲撃を加えている。城下町にはそれほど被害はないが、既に城はボロボロである。天守は倒壊し、城壁は壊れ、櫓上部も壊れている。
「殿、そろそろ総攻撃を仕掛けては如何でしょう?」
そう親泰に言うのは、士官学校上がりの友江兵衛である。
「いや、それでは被害があるやもしれぬ。夜襲にしよう。それならば被害は少なく済む」
「分かりました。して兵は如何程で?」
「800の兵で仕掛ける。忍びの報告によれば、夜襲を計画しているとの事。それならば、陣を囮にする方が良い。その為に残り400を伏兵とし、敵が食いつくと同時に奇襲する。全員に指示を出せ」
「はっ!」
その後、親泰は門を破壊するように令を発し、門やその周辺を破壊した。
夜。本山方面軍の元親の突撃が功を奏し、本山家の最初の城は落城したという。その後も進撃を続け、総攻撃によって3つの城を落とした。
そして親泰は800の兵を率いて闇に紛れて安田城に接近していた。
「総員抜刀」
親泰の指示を、各隊長らが中継して、全員がサーベルを抜刀する。
「掛かれーーーッッ!!」
親泰が前進命令を発する。それで敵も気づくも、数は少ない。
安田城はすぐに占領された。
一方そのころ、本陣付近では、別動隊が敵夜襲部隊を密かに待ち続けていた。しかし、それも終わりを告げようとしていた。
「掛かった。だが待て」
敵が陣の中枢に向かったのを見ると、サーベルを抜き前方に振り下ろした。
「掛かれ!」
400の兵が敵に向かって突撃を開始する。この別働隊指揮官は友江兵衛である。
自軍は400。しかし敵は600居た。だが全て常備兵の長宗我部には敵わない。徐々に、敵を押し始めついには敵の撃滅に成功した。この時、敵方大将の安田鑑信が討ち取られた。
城に帰還した安田勢が見たのは、火縄銃を構えた長宗我部軍だった。
「放て!」
残存兵力87人の安田勢に容赦なく鉄砲を浴びせかけた。安田勢は逃げるも、長宗我部は三段撃ちでそれを殲滅した。
「安田城はしばし放置し、すぐに敵拠点を陥落せしめるため、進軍する」
親泰がそう指示を出し、本陣に戻る。
その後、すぐに出立し1ヵ月の間に安芸郡の安芸城以外の城を全て落とした。土佐3軍は全て順調に城を攻め落とした。そして安芸城にて。
「さて、残り1000。敵は3800。どうするか……。」
親泰は城を包囲したまま、そう呟いた。
しかし、親泰は気づかない。既に安芸勢に半包囲されていることに。
後1話か2話くらいですかね。
何かこの小説若干伸び悩んでいる気がする……。気のせいとしておこう。
この小説はクロスオーバー作品となっております。