三好1
1558年5月ごろ
最近、病気により体調を悪化させた四男・島親益。病気療養のために有馬温泉に向かうことなった。その護衛に十数人の精強な陸軍の士官や兵士がついていった。そして海軍の使用するガレオン船に乗り込んで神戸港で下りて、有馬まで向かう計画であった。
しかし、途中急な突風で一時海部城の入り江に避難した。別にそのまま強行してもよかったが、万が一のことを考えてのことだった。すると、しばらくして海部城から出陣した多数の三好兵がガレオン船に向かってきたのである。
目の前に広がる人の群れ。すべて三好の兵で、ガレオン船を敵の攻撃かと思い込み攻撃を仕掛けたのだ。
「島様! そこは危ないですからお下がりを!」
親益は陸に接している右舷から敵の集団を見ていたが、陸軍士官に船内まで連れていかれる。それによって戦は始まる。梯子をかけてガレオン船に上ろうとする敵に火縄銃で銃撃を加える、梯子を倒すという行動をとるが、多勢に無勢。いつかは上られる。先ほどまで敵を銃撃していた護衛の兵士や、船を動かしていた海軍兵士も斬り伏せられる。そして敵は船内に突入する。狭い船内では護衛や海軍士官と1対1の戦いだったが、それもいつかは死んだ。やがて敵は親益のもとまで到達する。
「敵を蹴散らせ! 親益様だけは守るぞ!」
密室の船内に士官の声が響き渡る。そして士官たちはサーベルで敵を切り伏せる。さらには、親泰から特別に渡されていたフリントロック式の拳銃も撃つ。しかし、たかが1発。1人しか数は減らせない。
そのうち、1人、また1人と人は減る。気づけば親益も刀で抵抗をしていた。そしてこれ以上は不可能と判断したのか、近くにあったランプを敵の奥の方に投げる。そのランプのガラスは割れ、ランプの中にあったオイルは辺りにまき散らされ、炎上する。そのうち1人となり、多数の敵相手に戦っていた親益も、敵に斬られ倒れる。史実よりおよそ13年も早い出来事だった。
この知らせは直ちに元親と親泰のもとへと届けられた。元親は激怒し怒声を上げる。親泰は無言だったが、持っていた小筆を右手でへし折っていた。その日のうちに海部城への侵攻は決定された。さらには白地城へ陽動を仕掛け、本軍は勝瑞城と海部城を攻略。播磨や紀伊からも兵を出し、畿内と丹波の三好を撃滅、淡路は海軍陸戦隊によって制圧する。動員は後詰を含めておよそ4万であるが、分散するため1方面では少ない。あと次いでに諜報工作によってボロボロにしてある河野家も攻略する。こちらは内応した河野の家臣団が主体となって行う。援軍として2千は派遣するが。
総大将は元親。方面指揮官は播磨戦線は黒田職隆、紀伊戦線は吉良親貞、阿波は元親、讃岐は親泰、伊予は土井宗珊、淡路は池頼和がそれぞれ担当する。
それぞれ80門近い大砲も付属する。
出陣は2週間後。
この時、海部での事件の知らせを受けていた長慶も、まさかここまで大きくなるとは思っていなかった。
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(敬称略)
ゲーム機片手に天下統一!Player1 〜瀬田に我が武田の旗を立てよ〜 作者:早見
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ゲーム機片手に天下統一!Player3 〜諌死かんしなんてしてやらん、天寿を全うしてやる!!〜」 作者:天樹院樹理
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ゲーム機片手に天下統一!Player4 ~戦国大名の娘は天下を掴みたい!~ 作者:ソルト
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