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拾惨話 蔵賭弐位魔境編壱

 ――――マキユス・スカーレットと妃紅葉が戦っていたその頃、俺は2人の戦いを観察していた。


(やはり魔術と言うのは、心が躍るな。

 ニホンに居た頃は絵空事の類だと思っていたし、こうやって見ている中でもその光景は凄まじいなぁ)


 なんと表現したら良いのだろうか?

 花火や名画を見ると美しいとか、心が奪われるとか、そう言う気持ちになった事があると思う。あまりにも美しすぎて呆然と立ち尽くしてしまった、それに近い感覚である。


 今俺の前では、超常の物がぶつかり合い、そして輝いている。

 マキユスさんが手にする色鮮やかな糸から火炎や雷などが糸から出て、妃紅葉の両腕が火炎や雷など自然の物体へと変わる。明らかに現実離れ、ゲームの中にでも迷い込んだのかというようなその光景に心奪われていると、


『隣、良いかな?』


 と、そいつ(・・・)はすーっと現れた。


 いつの間に現れた分からないほどごく自然に現れたそいつ。

 男と言えばごつごつとした身体つきはそうだが、同時に柔らかそうな女性的な面も併せ持ち。女のようなと言えば安らぎを与えつつも、同時に凛々しさも感じられる顔立ちから男とも言える。

 男とも、女とも言えないような、そんな不思議な中性的な魅力を持ったそいつは、ゆっくりと俺の横に座る。


「……何者だ?」


『自己紹介をすると、我の名前はライブラ。この《罪双域魔界》の一角、蔵賭弐位魔境にて支配者をしている邪神だ。ちなみに我が支配者として認められている要因はスキル数だな』


「スキル数……?」


『今まであなた、クロス・ヤナカ殿が出会って来た支配者達はそれぞれ支配者たる、支配者と言えるだけの能力を持っていた。

 キングマグマスライムは溶岩という高熱の身体、ゴルドデニシュは金貨を妖精に変える異能力、今戦っている妃紅葉は1人の悪魔にしては多すぎる命。そして我の支配者たるゆえんは、そのスキルの数という訳だ』


「いわゆる、支配者として悪魔達に認められている力、という意味か?」


 こいつには勝てない。服従するしかない。

 そう思うだけの力、支配者であると言って良いだけの力。それが今挙げたものなのだろうか?


『まぁ、理屈としてはあっているな。我らがいかにして支配者として君臨しているのか、その一端という奴だ』


「ちなみにそのスキルの数を聞いても?」


『我のスキルの数か? 確か7932兆1354億4152万3222個の魔術と4925兆9165億2611万643個の異能力、合わせて1京2858兆519億6763万3865個のスキルだな』


 約1京とは……馬鹿げたスキルの量である。


『まぁ、我のスキルを1部、1%未満ではあるが表示するとステータスはこんな感じだな』


 と、彼がパチンと指を鳴らすと俺の視界にステータス、彼のステータスが現れる。



============================================================================================

種族:妖花悪魔

名前:ライブラ

称号:蔵賭弐位魔境支配者 暴食者 暴食牛の呪い保持者 戦場の爆撃者ウォー・オーケストラー 魔術所有数1万突破 魔術所有数10万突破 魔術所有数100万突破 魔術所有数1000万突破 魔術所有数1億突破 魔術所有数10億突破 魔術所有数100億突破 魔術所有数1000億突破 魔術の化け物 異能力所有数1万突破 異能力所有数10万突破 異能力所有数100万突破 異能力所有数1000万突破 異能力所有数1億突破 異能力所有数10億突破 異能力所有数100億突破 異能力所有数1000億突破 異能力の怪物 スキル所有数1万突破 スキル所有数10万突破 スキル所有数100万突破 スキル所有数1000万突破 スキル所有数1億突破 スキル所有数10億突破 スキル所有数100億突破 スキル所有数1000億突破 スキルの鬼

スキル:火炎魔術Ⅴ 火炎魔法EX 水魔術Ⅴ 水魔法EX 雷魔術Ⅴ 雷魔法EX 風魔術Ⅴ 風魔法EX 結界魔術 結界魔法 視界支配 因果操作 十五英雄の力 スキル授受 引き伸ばし EX変身 異常回復 邪竜変身 スキル確認 超高速 転移術 不老不死 人機一体 死者蘇生 軟体化 再生火炎 休戦協定 透視 スキル無効化 スキル部分無効化 人化 戦国武将変身 大将軍化 人体飛ばし 認識阻害 病気治療 微粒子分解 腐敗化 超反射神経 レベルマキシマム 強制転移術 天井歩行 刀鍛冶 貴腐人 影断 肉不切骨断 世界否定 全宇宙の力 勝利の聖剣 勝利の聖剣(劣化) 拘束支配者 空中浮遊 巨大化 縮小化 十二星座占い 迷宮作成 毒婦 防御不能戦 殺人衝動 治療衝動 賢者の石変身 利き腕交換 ドラゴン化 自己犠牲 植物成長 動物成長 夢の世界 光の歪曲 距離把握 火炎支配 水流支配 雷鳴支配 人心支配 暴風支配 骨抜き 罪業妄想 既視感 明日天気になれ 小人化 巨人化 精神受信 精神操作 怪獣化 怪物化 重課金 爪伸ばし 狩猟本能 野生本能 金の力 神化 悪魔化 超大嘘吐き カンニングペーパー 実力勝負 無限進化 銃火器生成 早抜き 早撃ち 弾丸補充 生命の力 分身 巻物使用 人体改造 苦無領域 成長無限化 友情 努力 勝利 憎悪 才能 敗北 星破壊 予言 予告 予想 血流操作 世界蝶 魔法上達 予知 酸素操作 水素操作 空気支配 名付け親 スキル作成 竜化 ハイパー無敵 願望の瞳 使い魔召喚 強化 大強化 大々狂化 新体操 早口 二十面相 百面相 飛ぶ斬撃 弓術 狙撃術 化学式 超波動 時間停止 石化 水滴操作 水流操作 次元両断 怪鬼一体化 人心支配 核無効 液体化 鋼鉄化 マッスル化 透明化 願望成就 鬼の手 精密操作 星の力 物体修復 狂い鉱石 生命分配 黄金生命体 鎮魂歌 糸操作 自由の石 白の力 爪 横断レース シャボン玉 ソフト化 ウェット化 愛憎支配 富 名声 力 龍化 書籍化 黒の力 一刀流 二刀流 三刀流 四刀流 千刀流 暴食 スキル喰い 念動力 筋肉ボディ 砂化 文字化 剣術達人 念動操作 思考飛ばし 物体飛ばし 愛ある石化 バラバラ化 闇の力 暗黒化 魚人化 超魚人化 空手の師範 影使い 治療医術 治癒魔術 治癒魔法 死霊使い 霊体操作 温度操作 異世界転移 心臓抜き取り 生命ストック 悪夢 光の生命 闇の生命 どちらでもない生命 むしろ声明 なんか清明 陰陽術 影操作 不慮の事故 偶然の出会い 高鳴る鼓動 迫る朝日 罪被せ 冤罪作り 急成長 TS化 人身操作 女神化 悪神化 暗殺者の極意 暗殺者の誇り(笑) 怪力の極意 マックス大変身 ペット化 オーナー特権 形態変化 斬鉄剣 毒ガス化 世界掌握 世界支配 悪のカリスマ 王のカリスマ 神のカリスマ(笑) トリガー・ハッピー 一撃の力 無敵の矛 無双の盾 狂い咲き 幸せのサボテン 身体強化 身体大強化 身体超強化 スキル支配操作

 以下、合計1京2858兆519億6763万3865個

============================================================================================


『まぁ、もっとあるんだけれどもね! それを用意するとなると、まだまだページ数が足りなくなっちゃうから仕方がないよね まぁ、昨今の転生ものや転移ものだったらこんなスキル羅列とか普通でしょうしね。

 まぁ、ちょっと常識離れしてるとは良く言われるけど』


「ちょっとどころではない気もするが……と言うより1京もあるのに、この《罪双域魔界》の《魔王》にはならないのか?」


 約1京ものスキルがあれば、この《罪双域魔界》の《魔王》となれると思うのだが……。


『いやいや、1京もスキルがある事と《魔王》になる事は別ですよ。そもそもこの《罪双域魔界》に《魔王》は必要なのか? と思うんだけど』


「《魔王》が必要……?」


『この《罪双域魔界》は、7つの《魔界》が融合して生まれた特殊な《魔界》。そしてそれぞれの《魔界》は、ニホンの知識で言うと7つの大罪と呼ばれるものを連想させる7つの《魔界》を連想させる。憤怒のラース、怠惰のスロウス、色欲のラスト、暴食のグラトニー、嫉妬のエンヴィー、強欲のグリード、傲慢のプライド。この7つが1つとなって融合したのには、なんらかの意図があると思うんだ。

 我はそれが何かの意図が、神さえも知らぬような大きな意思が関係していると思うのだ。《魔王》が今まで生まれないのも、なにか大きな意味がある気がするんです』


 ――――神さえも知らないような、大きな意図?


『まぁ、それに我は君と相性が悪い。もし君が本気で我を倒そうと思えば、負けるのは我の方だろう。

 良いスキルを、神からいただいたものですね』


「そんな事はない。悪魔と聞いたから自然と浮かんだものを可能とするために、3つのスキルをいただいただけだ」


 《魔界》で《魔王》にならないかと言われたので、俺はそれに必要なスキルを3つ、枢木エヴァンジェリンと名乗る神から貰っただけである。


『……まぁ、今の所順調に《魔王》となっているみたいですね。今、妃紅葉を加えれば7つ中3つの魔境の承認を得たという事になりますね?』


「まだまだ先は長いがな……」


 少なくとも後4つ。まだ半分もいけてないのだから、まだ長い道のりとなるだろう。


『その《魔王》承認一列に、我とトレジャドランの名も連ねて貰えないか?』


「トレジャドラン……?」


 トレジャドランとはなにかと聞くと、この先の繰異怒(ぐりいど)魔境というところの支配者の名前らしい。永劫を生きるドラゴンであって、時空操作と重力操作を持つ宝好きのドラゴンらしい。


『我が支配する蔵賭弐位魔境、この魔境には他を支配しようとするような愚か者は居ない。食べて寝る、我らの一日は大体そんな感じだ。そもそもが建物や地面すらも食べられるという暴食のこの魔境に居るのは、我と同じく食っちゃ寝、食っちゃ寝を好むような妖花系悪魔達。魔力によって動けるようになった植物の魔物であるが、我らは元々植物。動くのはあまり好きではない。そんな我らであるため、支配者である我は戦いたくない。むしろ我は君との相性が良くない、それに君なら別に支配されようとも構わない。

 トレジャドランも同じ意見だ。元々、繰異怒魔境は彼と同じ龍達が住んでいるのだが、龍は長命。そして個体数が少ない。互いに不干渉、自分達の勝手気ままに生きている彼らにとっては、君に支配されるのと、支配されないのはあまり違いがないらしい。むしろお前と戦って、大切な宝物が傷付く方の方が大変らしい。

 故に我らは君の《魔王》就任には異論はない。良かったね、これで5つだ』


「なんという事だ……」


 こんなにサクサクと、2つの魔境の支配者から承認が得られるとは思っても見なかった。しかしこれで5つか……。


『残っているのは閻毘遺魔境と冨羅射土魔境、か。近いのは……閻毘遺魔境の方だったか。あれらは2つとも厄介な魔境だよ。特に閻毘遺魔境の支配者は、君に対して敵意剥き出しだろうね』


「俺はあった事がないはずだが……? それでも敵意剥き出しなのか?」


 恨みを買った覚えはない、俺はそう言うとライブラは「君の存在自体が許せないんだよ」と答える。



『閻毘遺魔境の支配者、ナナミ・ブスジマは君と同じチキュウからの転生者で、なおかつ一度はこの《罪双域魔界》の《魔王》を志した者だからね』

・ライブラ

…蔵賭弐位魔境の支配者。妖花系悪魔。

 7932兆1354億4152万3222個の魔術と4925兆9165億2611万643個の異能力、合わせて1京2858兆519億6763万3865個のスキルを持っており、基本的にそのスキルに頼って生きている。あまりにも食って寝る生活を続けていたせいで、牛になるという『暴食牛の呪い』にかかっている。

 クロスが《魔王》になるのは賛成で、友達であるトレジャドランと共に《魔王》として認めるという声明を送る。

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