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114 暴徒との対峙②

「魔王様…」


「魔王様が…」


「そんな…」


クリスの一声に衝撃を受けた民衆は、主の顔を確認してそれぞれ冷静になっていく…。

自分のしてきたことを振り返り羞恥を自覚するもの…。

あまりの恐怖に命乞いをしようとするもの…。

それぞれが異なる反応をしているが、全員の顔に怒りの表情はない。

それだけクリスの力は絶大というわけだ…。

恐ろしい…。


よし!

俺も竜車から降りて…


「愚民様はこのままで…」


「はぇ?」


「今出ると民衆を刺激しかねないので…合図があるまでは降りないようにしてください…。初めはクリス様…私、フィールで説得に入ります…」


「うっ…わっ…わかったよ…」


くっ…!

しょうがねぇとは言え…悔しいぜ…。

俺もなんか言いたかったのに…。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「お前たち!!…我が城をここまで荒らすとは…恥を知れ!!」


ふぅ…。

とりあえず…大丈夫なようですね…。

民衆の暴動も収まり、話がしやすい状態には…。


「…決闘を運営し…最後まで責任を果たすことができなかった点においては我々に落ち度がある…。だが!こんな形で不平不満を爆発させるな!文句があるなら私の前に来い!!」


…クリス様からの厳しい言葉に意気消沈する者達…。

皆戦意をなくし、耳を傾けているようにも見える。


おそらく、ここまで暴徒化したのも一種の混乱によるものでしょう…。

まともな考えを持っていれば、魔王城を破壊するなど恐れ多いはず…。


今なら…説得に心開くかもしれません…。

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