113 暴徒との対峙①
うわー…。
こりゃひでぇ…。
なんとか魔王城に到着したのはいいけど…荒れに荒れてんな…。
そこら辺の庭もボロボロ…。
城もボロボロ…。
ボロボロ尽くしじゃねぇか…。
民衆のやつらも怒りだのストレスだのをぶつけていやがる…。
まともな思考をしてるようにも見えねぇ…。
「おい!なんか竜車が入ってきたぞ!」
「構わねぇ!ブッ飛ばしちまえ!」
げっ…!?
やべぇ…。
周りのやつが俺たちを取り囲んできた…。
手にこん棒や槍を持っていること考えると…危険だ…。
説得する暇もねぇ…。
万事休す…か?
と思っていると
「やぁ!」
「たぁ!」
ビシッ!バシッ!…ドスッ!
「グァッ!?」
「ウゲェェ!?」
ドサッ…ドサッ…。
おぉ?
なんか周りのやつがどんどん倒れてくぞ?
何が…。
「まったく…兄妹して手の早いやつだ…」
「フィール?」
「我が国の親衛隊を務めるルルとミミだ…。そう簡単にはやられんだろう…」
なるほど…あのショタとロリが倒してるわけか…。
既に竜車の中から飛び出したなんて…。
気がつかなかったぜ…。
多くの暴徒が崩れ落ち、ある程度片付けることができると…
「クリス様…そろそろ…」
「メーラ…そうだな。…わかっている…」
メーラの言葉で意を決したクリスは、華麗に竜車から飛び降りる…。
そして、周りを一瞥したあと…大地に響く勢いで叫んだ。
「お前たち!!いったい何をしてるんだ!!」