104 お互いの覚悟
「…話を戻すが…もうその方法で説得するわけだな…?」
「おぅ…とにかくこれに賭けるしかねぇ…。相手が納得するかはわかんねぇけど…」
キューちゃんとフィールの和解後…俺はフィールにこれからのことを説明した…。
魔王城に戻り、俺の存在をみんなに認めさせる…。
決闘のクレームがあるくらいだ…。
相当怒っているのはわかる。
俺のことを認めねぇやつもいるだろう…。
だが…やらなきゃならねぇ…。
じゃねぇとこれまでの苦労が意味ないしな…。
「…五分五分だな…。うまくいくかはわからんが、中途半端な言い方よりは…まぁマシだろう」
「あぁ…俺もそう思う…。とにかくやるっきゃねぇわ…」
よし…。
なんかフィールと話していると自信がわいてきたな…。
必ず…皆を納得させてやる!
「…もうこんな時間か…。人間のお前は寝る必要があるだろう?城に着く日程を考えれば、一日でも休む必要があるぞ?」
「おぅ…そだな!んじゃ…わりいけど…」
「あぁ…私はここで退席しよう…」
スッ…
暗闇の中で歩くフィールの足音は恐ろしく静かだ…。
どおりで気が付かないわけだ…。
ガチャッ…
扉に手をかけた時…一瞬こっちを振り向くフィール…。
「どした?」
「いや…なんでもない…ゆっくり休めよ…」
バタンッ…。
扉が閉まった音…。
この部屋には俺一人きり…。
うし!
しっかり寝るか!
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…人間の部屋から出たあと…私は決心した…。
「あの人間も…前を向いているんだ…。私も…覚悟を決めなければな…」