101 突然の訪問
さて…。
気がつけば既に深夜…。
明日の朝には出発するとして…魔王城に着くのは1日半といったとこか…。
おそらく多くの魔物達で溢れる中、説明しなきゃならねぇ…。
クリスの提案した説得が、果たしてどれだけ多くのやつを納得させることができるのか…。
かなり緊張すんな…。
二人からは明後日に備えて寝るように…なんて言われたが、正直寝る気にもなれん…。
ベッドの居心地が悪いとかじゃねぇ…。
とにかく心配なのだ…。
んでも…寝なきゃなぁ…。
体調は万全にしたい…。
そういや隣の部屋…フィールのいる部屋がいつの間にか静かになっていやがる…。
せっかく仲間が駆けつけたのに…。
もうお開きになっちまったのか?
少しぐらい楽しめば…。
ちょっと騒がしくても我慢できるよ?
「…おい…」
「ほぉぁぁっ…!?」
ちょっ…!?
なんでっ…!?
気がつきゃ、ベッドのそばにフィールのやつが立ってんじゃねぇか!?
いや…フィールだけじゃねぇ…!
駆けつけたヴァンパイアの皆もいるぞ…!
「ちょっ…へぁっ!?なんでここに…」
「なんだ…?感謝しに来たのに何を驚いている?」
「いや…う…音もなく忍び込むなよ!」
くっそー!
心臓にわりぃ…。
お礼に来るならノックぐらいしろよ…。