95 急いで戻らないと!
「…さて…。そろそろ戻りますか?」
「うーむ…。それもそうだな…」
こうして話し合っても解決策は見つかんねぇし…。
一度戻ってフィールの様子でも…。
プルルルルルン!…プルルルルルン!
ん…?
なんでミモルンの着信音が…。
俺は持ってねぇけど…。
「…愚民様…。少しお時間いただけますか?」
「ん?…あぁ…メーラのか…」
そういや魔王城のやつと連絡とってるんだっけ…。
マジで苦労かけてるよなぁ…。
「おぅ…俺は別に構わねぇよ?」
「それでは…」
メーラはミモルンを取り出すと、すぐに相手との話に集中した…。
一体何を話してんだろ?
一
ガチャッ…
「私です…」
『ティーなのね。とりあえず…皆には伝えたのね…』
突然の連絡はティナからのもの…。
私が以前に頼んだことについてだった…。
「ありがとうございます…」
『まったく…あいつら血相を変えてたのね…。その日のうちに飛び出しちゃったのね!』
「突然ですね…。いつごろですか?」
『昨日の夜には伝えたのね』
「わかりました…こちらもすぐに準備いたします…」
『あっ…メーラ!ちょっと待つのね!グラン地方特製のホワイトチョコレートケーキとブリンストン産メロゥキッスルクッキーに加えて、ネロンジュレ入りのクレープも頼むのね!』
ふぅ…。
ティナのわがままには苦労します…。
「わかりました…こちらで準備いたしましょう」
『頼むのね!』
プツッ…
ティナとの通話が切れた瞬間、私は急いで医療施設へ戻る準備を始めた。
とにかく…急がなくては…。
「おっ…おい!どうしたんだよ!」
…忘れてました…愚民様にも伝えなくては…。
「少し状況が変わりました…すぐに帰宅しましょう!」