94 ユキの正体
俺たちがいるところは、魔王城から少し離れたティアデム…という町らしい…。
色々な雑貨屋に武器商店…飯屋等がひしめき合っている…。
都会とは違った…かといって田舎のような静かな町でもない…。
俺にとっては新鮮な雰囲気だ…。
俺とメーラはとりあえず歩きながら町の様子を観察しているが…。
まぁ…それなりには賑わっているなぁ…。
けっこう楽しめそうだ…。
「…そういや…メーラ。ちょっと尋ねたいことあんだけど…」
「…私が答えられるものなら…」
「…俺と…その…ユキってやつは…似てるのか?」
「…質問の意図がわかりませんが…」
「意図もなにも…そのまんまだよ。いくらユキの体を借りてるっつっても、口調とか雰囲気までは似てねぇはずだ…。なのに…クリスはその事に突っ込まねぇから…変…つーか…」
「…なるほど…愚民様にしてはよく気がつきましたね…」
メーラはやれやれ…といったように頭を振ると、俺に向き直り説明する…。
「…確かに…似ていますね…。生前のユキ様本人と…。まぁ…少しユキ様のほうが面白くはありましたが…」
「…マジかよ…」
「ええ…。なぜここまで似ているのか…メーラも不思議です…」
「そうか…」
ユキ…。
お前は…一体なにもンなんだよ…。