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60 人間を守りし者

…終わったか…。

結局…あの人間の正体については良くわからんかったが…。

どうせつまらんやつだろう。

魔王様も変なやつを選んだものだ…。


さて…。

もうここにいる理由も…


『…おぉぉ!?なんだぁ!?ロリババァの撃ったとこから…変なもんが…っておぉぉぉ!?』


なんだ?

ウィリアムのやつ…何を驚いている?

土煙の舞う着弾点に何かいるのか…?

目を凝らし、人間のいたところを良く見てみると…






「グルルルルルルル…」






『おぉぉぉぉ!?なんとぉぉ!!ドラゴンだぁぁぁぁ!!へっぽこ人間のとこから…ドラゴンが召喚されたァァ!?』


バッ…バカな…。

ドラゴンだと!?

なぜそんなやつがこんなところに…!?


白い翼や鱗、鋭く光る牙、真紅の瞳をもつドラゴンはわたしの方を見ながら威嚇している…。

さらに、何かを守るように翼で覆っているようにも…。

まさか…。

あの人間…とんでもないものを…!!



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


…なっ…なんてこった…。

いつのまにか…ドラゴンが召喚されたみてぇだ…。


獰猛…そして恐怖の象徴とも言えるドラゴンだが…なぜか俺に対しては攻撃してこない…。

フィールの光弾もドラゴンの翼によって防がれたことを考えると…こいつ…俺を守ったのか?


「…キューン…グルルルルルルル…」


なんか…すげえ怖いけど…鳴き方ちょっと可愛いな…。


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