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54 月光薬の力!

「…見るがいい…月光薬を飲んだ私は、今までの比ではないぞ…!…んんっ!」


月光薬を飲んだフィールの体は、不思議な光に包まれていく…。

あまりの明るさに直視することさえできないほどに…。


おいおい…。

どこぞの漫画みてぇに第一形態とか第二形態とかあんのかよ…。


黄金に輝く光は周りに広がり、そして…。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「月光薬…そんなものが…あったなんて…」


フィールの体に光が灯ったそのとき…私は絶望していた…。

愚民様のためにあらゆる手を尽くしたというのに…。

それでも届かない…。

私がしたことはいったい…。


フィールがドーピングを使ってしまう…それは愚民様の勝利が遠退くことに他ならない。

少しでも戦力差を縮める必要があったというのに…。


もう…無理…なのでしょうか…。





ギュッ…。


そのとき…右手から伝わる暖かい感触に私はハッ…とする…。

私の手を握った方を向くと


「…クリス様…」


クリス様はそれでも諦めていなかった…。

私を励ますように、力強い言葉を口にする。


「大丈夫だ…メーラ…。ユキは…必ず勝つ!」


クリス様の目には光が…。

本当に信じている…決意の目だ。


…約束…忘れてはいません…。

胸に去来した絶望を振りほどき、再び愚民様を信じる…。

どんなことが起ころうとも、愚民様なら…。

そうした思いを胸にして…。


そのとき…フィールを纏っていた光が…。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


辺り一面に広がっていた光が徐々に収まり、やがて現れたフィールの姿を見て俺は絶句した…。


「なっ…マジかよ…」


まさか…月光薬を飲んだフィールが…こんな姿になるなんて…。


そこにはさっきまでのロリロリボディなフィールではなく…ボンッキュッボンッ!なアダルティ…なかなかに美しいフィールがいた。

背丈も俺よりやや高く…顔立ちも大人のレディのように…。

腰回りも太股も子供のそれではない。


そして何より…おっぱいの大きさまで…。

クリスに負けず劣らずなサイズに鼻血が出そうだ…。


くっ…なんておっぱいだ!


メコーンの大爆発の影響でボロボロになった服を着たフィールは、どこぞの痴z…じゃねぇ!

俺はなに考えてんだ!

くそっ!


「ふん!…どうやら理解したようだな…。さっきは油断していたが…これで…お前を潰せそうだ!」


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