54 月光薬の力!
「…見るがいい…月光薬を飲んだ私は、今までの比ではないぞ…!…んんっ!」
月光薬を飲んだフィールの体は、不思議な光に包まれていく…。
あまりの明るさに直視することさえできないほどに…。
おいおい…。
どこぞの漫画みてぇに第一形態とか第二形態とかあんのかよ…。
黄金に輝く光は周りに広がり、そして…。
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「月光薬…そんなものが…あったなんて…」
フィールの体に光が灯ったそのとき…私は絶望していた…。
愚民様のためにあらゆる手を尽くしたというのに…。
それでも届かない…。
私がしたことはいったい…。
フィールがドーピングを使ってしまう…それは愚民様の勝利が遠退くことに他ならない。
少しでも戦力差を縮める必要があったというのに…。
もう…無理…なのでしょうか…。
ギュッ…。
そのとき…右手から伝わる暖かい感触に私はハッ…とする…。
私の手を握った方を向くと
「…クリス様…」
クリス様はそれでも諦めていなかった…。
私を励ますように、力強い言葉を口にする。
「大丈夫だ…メーラ…。ユキは…必ず勝つ!」
クリス様の目には光が…。
本当に信じている…決意の目だ。
…約束…忘れてはいません…。
胸に去来した絶望を振りほどき、再び愚民様を信じる…。
どんなことが起ころうとも、愚民様なら…。
そうした思いを胸にして…。
そのとき…フィールを纏っていた光が…。
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辺り一面に広がっていた光が徐々に収まり、やがて現れたフィールの姿を見て俺は絶句した…。
「なっ…マジかよ…」
まさか…月光薬を飲んだフィールが…こんな姿になるなんて…。
そこにはさっきまでのロリロリボディなフィールではなく…ボンッキュッボンッ!なアダルティ…なかなかに美しいフィールがいた。
背丈も俺よりやや高く…顔立ちも大人のレディのように…。
腰回りも太股も子供のそれではない。
そして何より…おっぱいの大きさまで…。
クリスに負けず劣らずなサイズに鼻血が出そうだ…。
くっ…なんておっぱいだ!
メコーンの大爆発の影響でボロボロになった服を着たフィールは、どこぞの痴z…じゃねぇ!
俺はなに考えてんだ!
くそっ!
「ふん!…どうやら理解したようだな…。さっきは油断していたが…これで…お前を潰せそうだ!」