52 吸血女王ぶちギレ!!
『おぉぉぉぉぉぉっとぉ!?にんげんんん!!!いつの間にそんなあぶねぇもん持ち歩いてたんだぁぁぁ!?やればできるじゃねぇか!!』
場内に響き渡るウィリアムの声に大歓声が湧く中、俺は呆然としていた…。
なんつーか…あまりの超展開についていけないんだけど…。
氷柱爆弾を投げようとしたら、実はじゃがいもで…そのじゃがいもが突然大爆発…。
おいおい…どこのギャグ漫画だよ…。
なんかすんげぇ威力だし…。
地面は抉られるわ、観客も巻き込まれるわ…。
俺…とんでもねぇことしちまった…。
フィールは…どうしたんだろう…。
と思っていると
「…くそっ…なんてことを…この私にここまでのダメージを…」
ものすごい土煙の中から現れた小さな姿…。
信じられねぇ…。
あんな爆発の中で立っていられるなんて…。
だが…やはり相当なダメージは受けたみてぇだ…。
全身に纏っていた服も相当ボロボロ…。
太股や腕からは血がにじみ出している。
あっぶねぇ…。
殺すわけにはいかねぇからな…。
「…メコーンなどと…ふざけたものを投げつけおって…」
「いや…あれは…その…変なオークにもらったもんで…。あと、爆発とか知らなかったし…」
俺はとりあえず弁解はするものの、フィールの怒りは頂点に達する。
「そんなものはどうでもいい!!…貴様は…なんとしてでも…始末してやる!!」
ヤバイ…すんげぇ怒らせちまった…。