51 世界最凶の悪魔兵器
くっ…人間めっ!!
突然姿を消しおって…。
どうせ下らんスキルを使って身を隠したんだろうが…。
こうしている間にも私を狙っているのかもしれん…。
…慎重に…。
やつの攻撃に備えなくては…。
「いっけえぇぇぇぇぇ!!」
一瞬…
私の背から聞こえてきた叫びに振り向くと、何かを投げる人間の姿…。
くそっ!
防御しなくては…。
やつの攻撃に備え、私は光弾を瞬時に作り上げる…。
この距離なら…私に当たる前に打ち落とすことができる!
来るならこい!
ビューーーン!!
…力一杯に投げられた何かは真っ直ぐに…私の目の前まで飛んでくる…。
だが…私の方が早い!
「くらえ!!」
…そのとき…
掌から発射された光弾の光に照らされ、私は見た…。
目の前に迫ってくる…それは…
「メ…コーン…!?」
そして…
光弾が打ち落とそうとした瞬間…
ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォン…!!!!
ドォッカァァァァァァァァ…ン…!!
ボォォォォォォォォォォォ…ン!!!
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…
「クリス様…これは…」
そこにあった光景は…まさに地獄絵図…。
私とクリス様はある程度離れていたこともあり、巻き込まれなかったものの、大爆発を起こした部分は大きなクレーターを作り上げている…。
周辺にいた観客も、大ケガを負ったものがチラホラ…。
いったい何が…。
「メーラ…わかったぞ…この爆発…!なぜユキが…持っているんだ…!」
「クリス様…いったい…なんなのですか!?」
「こんな爆発を起こせるのは1つしかない!…」
「メコーンだっ!」
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メコーン
通称『悪魔の食物兵器』。
独特な臭い故にオーク以外の種族は滅多に食べない多年草の植物。
しっかりとした下準備なしに、大きな衝撃等を与えると大爆発を起こす。
その規模は、1個で巨大ビルを倒壊させるほどの破壊力。
複数個を同時に爆破させると、都市を壊滅しかねないほどの災害にもなりうる。
また、一度爆破されると悪臭が蔓延するため、救助活動も困難を極めるとされる。
そのため、一部の地域はメコーンの栽培を全面的に禁止している…らしい…。
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「…やべぇ…メーラさんにぶっとばされるなぁ…こりゃ…」
「ん?どうしたんだ?ウザイン?」
「…なんでもねぇ…独り言よ…」