表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/270

40 人間の勝利を望む者達②

「ワッハッハッハッ!!あの人間もおもしれぇ奴だぁ!!天下の魔王様とメーラさんにここまで信頼されてるたぁ…羨ましいぜ!!」


ウザインは突然破顔させると、大笑いしながら愚民様を称える…。

彼の笑う姿を見るといくらか緊張が和らいでいくようだ…。

まったく…面白い方です。


「…ウザインはどうされますか?ここでフィールの応援でも…」


「おいおいおい…。なーに言ってんすかぁ!メーラさんが認める奴なら、そっち応援すんのがおもしれぇでしょ!!」


「ふふっ…。あなたならそう言うと思いました…」


他愛もない会話…。

これから始まる死の決闘を前に変な話だ…。


ウザインとのやり取りを見て、クリス様にも笑顔が戻ってきた。


「…アハハハハ!!ウザイン…お前は面白いやつだな!」


「いやぁ…嬉しい限りです!こんなアホですが、魔王様に誉められるなんて…一生の思い出になりそうです…」


「いやなに…見ず知らずの人間を認めてくれたんだ!嬉しいのは私も同じだよ」


さっきまでの陰鬱な雰囲気が吹き飛ぶのを感じる…。

もうそこには決闘に対する不安はない…。

愚民様はきっと…






「おーい!残り5分!人間に賭ける奴来いよ!」


「そうだぜぇ!早くよぉ!面白くねぇ!」





…そう言えば忘れていました…。

まだギャンブルを続けていたなんて…。


苛立ちが溢れそうになったその時


「…?なにしてんすか?あいつら?」


ウザインは騒ぎの方向を見ると、ギャンブルをしている者について尋ねてきた。


「…どうやら、どちらが勝つか賭けているようですね…。まったく腹立たしい…」


「なるほどね…んなら一肌脱ぎましょうかね!」


そう言ってウザインは腕をたくしあげると、騒ぎの方へ向かおうとする。


いけない…。

止めなくては…。


「ウザイン!手荒な真似は…」


「大丈夫ですよ!ちょっと荒らすだけなんで!」


「荒らすって…」


「まぁ見ててくださいよ!面白くなりますぜ!」


…一体何をする気なのか…。

不安です…。






※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



…くっそー!

誰も賭けてくれやしねぇ!

せっかくのギャンブルが台無しじゃねえか…。

人間とフィール様の決闘ってのがダメだな…。

戦力差がひどすぎんだよ…。

だれか人間に賭けるやつぁ…。


ん?

だれかこっちに来るぞ…。

あいつは…ウザインじゃねぇか!


「おっ!ウザインじゃねぇか!仕事の方はどうよ!」


俺の呼び掛けにウザインは笑顔と共に応える。


「おぅ!今終わったとこよ!ビーンズは?」


「俺も終わったとこだぜぇ!ウザインもどうよ!ギャンブルやってんだけど、お前も賭けてみねぇか?誰も人間にゃ賭けてねぇがよ!」


どうせウザインもフィール様に賭けるんだろなぁ…。



「よっしゃぁ!んじゃ俺は…」






「人間様に全財産かけてやらァ!!」





へ?

こいつ…何をいって…


「はっ?おまっ…何を…」


「ん?人間に賭けんだよ!わりぃか?」


「いや…悪くはねえけど…」


いや…全財産って…。

まぁ、ギャンブルが成り立つからいいけどよ…。

何て思ったら…



「マジかよ!ウザインが賭けんなら俺も人間に…」


「おっしゃあ!俺も人間に…」


「俺も!」


「俺も頼むわぁ!」


ぇ?

おいおい…お前らなんで人間に賭けるんだよ…。


「なんで…」


俺の疑問に横にいた魔物があっさりと答えた。


「ん?ビーンズは知らねぇの?ウザインってすんげぇ豪運持ってんだぜ?この前なんか大型カジノ挺をパンクさせたぐらい…」


えっ?

うそ…。

やべぇ…。

俺…フィール様に賭けちゃった…。









※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「クリス様…これは…」


さっきまでの様子が一変…。

突如として愚民様に賭けるものが増えた…。

まさか、ウザインの一声でここまで…。


「あぁ…動機は不純だがユキの応援をするものが増えたようだ…。あいつには感謝しないとな…」


「えぇ…。さすがはウザインですね…」


きっと愚民様は驚くでしょうね…。

ここまで応援されると…。

自信にも繋がるというものです。



フィールとの決闘まで残り2分…!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ