37 供養
「くっそぉぉ!!ナメんじゃねぇ!氷柱爆弾!!」
ヒューン…ドォォン!!
ピュンピュン…
グサッ…グサッ!!
「ムォォォォォォォォォン!!」
俺の投げたアイテム…『氷柱爆弾』…。
これは投げつけてから数秒後に爆発し、無数の氷柱を発射させるものだ…。
フィール戦でも使うはずだったけど…確か間違ってメコーンを投げたっけ…。
もちろん今度はちゃんと確認したぜ!
…大量の氷柱が突き刺さってモンスターの動きが鈍くなったぞ…。
今なら…
「クリスッ!」
「あぁ!」
そう言って…クリスは両手から灼熱の炎を吹き出させた…。
ゴォォォォォ…!!
「ムォォォォォォォォォ…ン!!」
ものすごい熱だ…。
まともに喰らったらやべぇ…。
業火はモンスターを覆い尽くし大ダメージを与えていく…。
よし!これなら…
「グウゥゥゥォォォォ…」
ズドォォォォ…ン…!!
おぉ…ついにモンスターを倒したぞ…。
すっげえキツかった…。
「やったな!クリスッ!…」
共に勝利の喜びを…と思ったら…
「…」
「クッ…クリス?」
なんか…目を閉じて…手まで合わせてるぞ…。
どうしたんだ?
「…クリス…何を…」
「いや…なに。討伐するためとはいえ…生き物の命を奪い取ったからな…形だけでも供養したいと思っただけだ…」
…変わってるなぁ…。
でも…確かに…クリスの気持ちもわかるかな…。
今…俺達がやってるのはゲームじゃないんだし…。
「…」
俺も…モンスターのためにちょっと供養をするか…。