33 お礼を…
…ちょっと食べてみよう…。
俺は木のスプーンを使ってタムユとやらをすくってみることに…。
ホカホカ…
出来たてなんだろうか…。
熱々の湯気が漂っている…。
こりゃぁ…期待できそうだ!
「そんじゃ…ま…いただきます!」
アムッ…モグモグ…
…おぉ…これ…すげぇ…。
味がないかと思ったら…ちょっぴり甘いぞ…。
梅干しを入れたお粥とかは知ってるけど…こんなの初めて…。
極端に甘くないから喉にスッ…と流れ込んでいく…。
ちょっとしたデザートみたいなもんか…。
「医者の話では…果物をすりつぶして少しだけ混ぜているようだ…。栄養の面でも優れているとか…」
「へぇ…」
果物か…。
確かにこの甘味は果物っぽいな…。
すごく健康に良さそうだ…。
甘めのお粥…と聞くと美味しくなさそうなイメージがあるが、お菓子と思えばなかなか…。
味としては…リンゴっぽいか…?
「ありがとう…クリス…」
「なに…礼ならお前をここまで運んでくれたウザインと…ここの医者に言ってくれ…。私はただ…看病することしかできなかったからな…」
「でもよ…看病するだけでも大変だろ…。礼くらい…何かさせてくれよ…」
「そうか…なら…」
そう言ったクリスは俺の方を向き…突然…
「…んっ…」
俺の唇に…優しくキスをした…。