31 人間に語りかける者…
…
『…マサユキ…くん…起きて…』
うっ…また…この声…。
お前は…誰なんだよ…。
『…マサユキくん…起きて…』
くっ…まだ体が…。
起きてぇけど…ちょっとキツい…。
『あなたのため…私のための…この世界…』
だから…知らねぇよ…。
俺のためとか…わけわかんねぇこと…。
『あなたがいないと…生きていけない…』
何を…そんなこと言われても…
『あなたがいないなら…こんな世界…いらない…だから…起きて…』
くっ…言いたいこと言いまくって…。
俺の何が…。
『あなたのためなら…世界も壊せる…』
―
…
「…フォアッ!!?」
「キュー?」
あぁ…やっと起きれた…。
なんか…すっげぇ汗かいてる…。
ちょっと服がベタベタしてるな…。
きもちわりぃ…。
…ん?
なんかおかしいな…。
俺の服…いつのまにか変わってる…。
森の中を歩いてたときは泥んこまみれだったはずなんだけど…。
今は白い服…病院とかで着てるやつを身に付けてる…。
病衣…だっけ?
しかも…
「おおぅ?ベッドか?」
白のシーツをかけられたベッドの上で寝ていたようだ…。
枕や布団はきれいなまんま…。
ってことは…
「…どっかの医療施設…ぽいな…」
―
…
「キューン…」
スリスリ…
おおぅ…なんかキューちゃんが俺のほっぺをスリスリしてきた…。
起きたときも俺の胸の上にいたよな…。
もしかして…俺のこと心配して見てたんだろうか…。
…なんか…ほっこりするぜ…。